月刊 追い焚き作業

見て聴いて読んで遊んだ記録です

2022年2月の話と3月の購入予定

ゲーマーのみんなは見てるよね!!ゲームのサイトと言えば4gamer!!

定期的に実施されているプレゼント企画。去年の冬に久々に応募してみたら当選してまして。

 

4gamer ssd.JPG

わーい。Series X|Sの拡張SSD!!

 

数年前に4gamerのプレゼント企画で、PC『ビキニカラテ2』のDVD-ROMというおもしろ9割9分みたいなアイテムをもらったのに、今回はなんかすいません。ガチに良いものが当たるとめっちゃ恥ずかしいな。

早速我が家のXBOX Series Xの背面にガチャコンと刺し、元気に稼働しております。

そんな訳で、みんなもアクセスしよう4gamer!!…というご報告でした。ありがとうございました。

 

 

それでは2022年3月の購入予定です。

4日

PS5『グランツーリスモ7』

GTっすよGT。超楽しみ。

前のSPORTがレース部分に特化しすぎていた感があるが、今回は過去シリーズにあったキャリアモード的な部分が充実してそうですね。あー楽しみ。ぶーぶーだよ。ぶーぶー。

 

10日

Series X『RPGタイム! ~ライトの伝説~』

小学生の工作のような自由帳やダンボールを使ったグラフィックが特徴的なアドベンチャーゲーム

相当前から映像だけは出ていたが、やっとリリースされますね。

 

25日

PS5『GHOSTWIRE: TOKYO』

三上真司氏率いるTango Gameworksの最新作。

東京を舞台としたオープンワールドゲー。

FPSの視点で見る、印を結ぶ指の表現が超かっこいい。

 

25日

Series X『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』

Borderlands 2』のDLCからのスピンオフタイトル。

Borderlandsとは世界が違い、割と自由な武器や敵がいっぱい出てきて楽しそうですね。

 

25日

Switch『星のカービィ ディスカバリー

カービィ最新作は初の3Dアクションだそうで。

もうゲームプレイの映像を見るだけで面白そう。この辺りの3Dアクションは任天堂のお得意のジャンルなので、絶対楽しいゲームになっていると思うんだよね。

そんな楽しそうな映像なのに、ゲームの背景がテクノロジーが失われて荒廃している世界という部分が非常に気になります。

 

そういや去年かな?に出たENTRY GRADEのカービィを昼休みに作って会社のデスクに置いてたら、ウチの若いのが「わー!カービィかわいい!!もらっていいですか!」って言われたので雑にあげちゃったんだよね。普段からデスクにガラクタばかり置いていて、てきとーにあげているから雑に持って行かれるという。

この機会にもう一回買って、今度は自室に置こうかなと。

 

今月はこの5本かな。

って、25日が酷いな。狂ってんのか。近年、ここまで期待しているゲームが3本も重なるってのは無かった気がしますね。なんか今年の2月と3月はもったいないですよ。ゲーム出過ぎ。食い合って機会損失では。

まぁ25日発売の中では、まず『GHOSTWIRE: TOKYO』をプレイします。

 

 

それでは先月遊んだゲームの話。

Series X『Dying Light 2』

パルクール+ゾンビという部分は前作と同じく良く出来ている。

ただ舞台が都会になったことでビルの高低差が激しく、登ってからの滑空が移動のメインになってしまっており建物の屋根の上を走り回るパルクールの楽しさが若干減っているのは残念。

そもそも縦方向に登るのはもうあまり楽しい要素ではないと言うか。『アサシンクリード』の1や2の辺りまでは高い建物をどう登るかというルート構築をゲームの一部にしていたが、それも後期の作品では一切無くなったように、登るゲームって地味なうえに面倒臭さが強いんですよ。『ゼルダBotW』ぐらい登山ゲーとして成立させる意外に道が無いように思う。

 

あと、いわゆるUBIタワー的な施設の探索や開放なども面倒な要素が多い。チャチャッと登ってボタンをポンや、チャチャッと行って親玉の首をザクリではなく、それぞれがパズル要素の強い作りになっている。

これも面白さよりも面倒と思ってしまったなぁ。会話の中にクイズを入れてくる人のような面倒さ。いやいや、そこはもういいのよっていう。

 

ストーリーの方は、プレイヤーの選択によってかなりダイナミックに変化する方向を目指しているのだろうが、若干唐突な意思決定を強制される感じがある。まぁ初対面や関係の浅い人間を信用するかどうか瞬時に判断を迫られる事こそが、荒廃した世界でのサバイバルであるという見せ方なのだろう。

出会う人物が主人公(プレイヤー)のただの引き立て役ではなく、対等に思考し動いているかのような役割を与える事で、バラバラの世界を描写するいわばポリフォニー的なストーリーの構築には成功しており一見の価値がある。

 

 

PS5『Horizon Forbidden West』

なんとか2月中にクリア出来た。しかしボリュームがヤバい。メインクエストの長さ(ミッションも会話も長い)上に、マップも広いし、そこに配置されている物量も多い。密度に圧倒されるほど濃い。

 

その密度はサブクエストにまで及んでいる。

ただのお使いばかりではなく、一つ一つちゃんと物語に沿った内容で会話部分までガッツリ作り込んである。

ゲームが詰まっている時期なので、メインクエストを中心に進めるかと思ったら、サブクエストにまでスキルポイントが報酬としてもらえるので、スキルポイント目当てに寄り道をしてしまうという。

直前にプレイしていた『Dying Light 2』がサブクエストの報酬が渋すぎて悲しかっただけでに、ここまで大盤振る舞いの作りだと楽しいんだよね。

 

戦闘部分は前作よりも敵が暴れがちというか、連続で攻撃してくる発狂パターン的な動きをする敵が多いうえに、攻撃判定が若干サギっぽく感じるなど調整が雑に思える部分がある。基本的に被ダメージが多いシリーズなので、えーそれ食らうの~?みたいな変な事故死が発生しがちかなという気はしますね。

 

ストーリーは前作からの続きで、ゴリゴリのSF作品。

メインストーリーの部分はダイナミックな演出が少なく若干大人しめというか、終盤にのみ盛り上がりが来るってのは前作と同じですね。

あくまで英雄という立場である主人公に沿ったキャラクタが配置されている辺りは『Dying Light 2』と完全に対照的で、2作を続けて遊んだからの面白味があった。

 

 

それでは、その他のお家エンタメ。まずは本。

ジェフリー・ケイン(著)『AI監獄ウイグル

北京オリンピックの開会式で嘘くささ満点のアピールをした事でジワジワと再燃していた新疆ウイグル自治区での人権侵害。

現在そんな新疆ウイグル自治区で何が行われているのかというのを追ったルポルタージュがこの本。

 

テクノロジーと人権のバッティングというのは昔から言われることだが、だからこそ人権を無視して実験が行えるのであればそこでやってしまえという悪魔の囁き。

その言葉を囁いたのは中国。国家が主導し、中国国内の企業、そこにアメリカなどの最先端テック企業が参加し、現在の中国やこの前の香港での暴動鎮圧にも活躍した監視システム(天網・スカイネット)の急拡大と急成長に繋がった。その要因の一つがこの新疆ウイグル自治区でのテスト運用にある。

 

新疆ウイグル自治区では、家の前にそれぞれのQRコードが貼られそこで家族構成から各人のプロフィールが管理されているのはもちろんの事、お店や公共施設に入るまでにも個人の端末を使いコードを提示する必要がある。

そんな彼らの行動や態度(労働や学業など多岐に渡る)には全てポイントが付与されており"社会ランキング"として全ての住人が点数で管理されている。不用意な行動した場合にポイントが減点され、ポイントの低い人物は買い物や検問を越えた移動が出来なくなど日常生活にまで影響出てしまうという。その社会ランキングは全てAIが管理しており、AIがある人物を危険だと判断すると即拘束、収容所へゴーという流れになっているらしい。

 

また組織を瓦解させコントロールする常套手段であるが、あるポイントのラインを下回った物が拘束されるのではなく、同じ行為でも判定が変わり、ある程度ランダムもしくは恣意的に拘束の候補者を選定している。その事により、管理される人々は何が正解で何が不正解なのかわからない状況に置かれている。それが不安の増加と他人への不信による孤立を加速させ、結果として何も行動を起こせない無気力で従順な人々を生み出している。

 

この手の本は、ただの出来事の羅列になりがちで読みづらい本も多いが、本作では新疆ウイグル自治区で生まれた女性メイセムの話が一本の柱となっており非常に読みやすい。

子供の頃から本が好きで、知識を得る事に喜びを感じていた勤勉な彼女は、将来は中国の外交官となり国に貢献する為に留学までして学び続けるが、ウイグル人が外国へ出て勉強をし世界の状況知る事を良いと思わない中国共産党によって家の中にカメラを設置されてまで監視、そして収容所に監禁される。

 

本作の中でも収容所から開放され、ある程度生活が落ち着いたメイセムジョージ・オーウェルの『1984年』を読んで、コレに書かれている事がまさに今起きていると驚くシーンがある。

収容所内で行われた"授業"の一つに、中身が入ったペットボトルと空の容器を2つ用意し、その両方に中身が入っていると思わせる。自分の目で見る現実を否定し、認識を歪ませ両方に中身が入っていると答える事が出来るまで続く"授業"はまさに『1984年』の終盤に主人公が受けた拷問とまさに同じであろう。

 

本作はそんな新疆ウイグル自治区の生活、ならびに女性メイセムの話を中心としつつも、そもそも新疆ウイグル自治区は何故こんな事になったのか、そしてどこから監視体制と人権侵害がエスカレートしていったのかも詳しく書かれており、この機会にちょっと知っておくかという入り口としては読みやすいかと。

 

あと本書の最終章で少し触れている、貧しい国や自国での通信インフラが弱い国に対して5Gのシステム構築(敷設)と、中国お得意のデジタルデバイスからの情報のぶっこ抜き+ファーウェイなど中国企業を中心とした監視システム(カメラ+顔認証)の抱き合わせセット売りというヤバい売り込みの可能性ってのはスゲーっすね。

国民は5Gの高速通信だけでなくスマートシティ的監視社会により治安の回復や犯罪者の取締の強化による恩恵を。為政者側は政敵の監視システムを同時にゲット。独裁政権の強化、または一発で民主主義終わらせるパックと引き換えに、中国はその国の資源などを安価に入手出来、中国へ絶対に反発出来ない鎖を国にまるごと繋げる事が出来るという、新しい一帯一路構想の恐怖。

 

と、こんな事を書いている一方で単純な力による国境線の変更というクソムーブをまさか2022年にもなって目の当たりするとはね。勘弁してくださいよ。

 

 

その他、リチャード・ロイド・バリー(著)『津波の霊たち』

東日本大震災の中でもとりわけ大勢の児童が犠牲になった事で知られた大川小学校。残された遺族や周辺での聞き取りを中心に、震災後から長く取材をし続けて来た著者が、そもそも何故あれほど大きな被害が出てしまったのかを浮かび上がらせる一冊。

 

ひたすら嘘を言い続けて逃げた教員。遺族へ一切寄り添う事がなかった校長。教員や学校側に不利になる証言を全て破棄してきた教育委員会。様々な要因によって拗れてしまった関係により遺族たちが裁判を起こすが、その遺族すらももちろん一枚岩ではなく…。

そして、おそらく田舎に住んでいてもほとんどの人は意識すらしたことが無く、逆に当事者やそれに近い人であった場合のみ実感としてあるでしょうが、自治体に反発する事は公共サービスの低下に直結する。逆に地方議員などの知り合いが居ると公的支援の質が跳ね上がる(補助金や手続きの待ち時間に至るまで様々な面であからさまに優遇される)。こういった田舎で自治体を相手取って裁判を起こすというリスク。地域住民でさえも遺族側に付く事は村八分自治体からの仕事を失うという状態を目の当たりにし、バラバラになっていく人々。

 

著者は『黒い迷宮』(コレも凄い本)でルーシー・ブラックマン事件を丁寧に追い、ホステスという性的サービスが無く基本的には客と話すだけいう特殊な職業から独特な構造と精神性を持つ日本の社会をあくまで海外向けの作品として客観的に言語化して見せたが、本作でもその俯瞰の視点による冷静な描写が遺憾なく発揮されている。

ただ、著者の取材の根底には対象者への愛、それはこの日本という国に住む人々への温かい眼差しに溢れている。本のタイトルからスピ系と勘違いされそうですが、そういった話ではないのでそこは安心してください。

3月なのでぜひ。

 

 

あと、去年の出版ブームに乗っかって毎月ペースで一冊一冊読んでおり、私の中でも波が来ている台湾の作家呉明益(著)の『自転車泥棒

いやー良かった。スゲー傑作ですよこれ。

 

台湾の田舎町。田んぼの鳥よけにカカシを持って走る子供たち。その中の一人の少女は朝から走り回った疲れで、ついウトウトとして眠ってしまった。

ハッと目が覚めると空を覆う真っ黒な雲。

胸騒ぎに居ても立っても居られず村へと走りだした刹那、何かに足を引っ掛けて転んでしまう。振り向くとそこにあったのは大人が乗る自転車。

彼女は道端に置いていかれた大きな自転車にまたがり、三角乗りで村へと走る。

そこへ降り注ぐ黒い雨。

 

こんな自転車を泥棒する風景から始まるのは、長い長い時を越えて様々な人を乗せてきた一台の自転車の物語。

台湾でまだ自転車が珍しかった時代(今で言うベンツのような高級車と表現されている)は、自転車が盗まれただけでも新聞に載ったらしい。大量生産の商品とは違い、工芸品といえるような手間と職人仕事が詰まった丈夫な製品であるが故に、複数の人の手により補修されながら自転車は時代と共に駆け抜けた。

 

呉明益お得意のファンタジーライクなアクセントが本作では多数の人物だけでなく、モノや生き物、自然にまで視点が移動し、その全てが不思議なバランスで調和されている。(記憶から過去を辿りながらゆっくりと時間が流れていくテイストはカズオ・イシグロを彷彿とさせる)

本当に自分の好みにバシーンと来た小説を読み終えた時の、体中に得も言われぬ満たされた気持ちが溢れました。ゴイスー。超傑作。

 

 

映像関連は今月は特に無し。

いつもどおりNetflixを中心に見てたが、コブラ会』のシーズン4はいつも通りで面白いが多少マンネリ感が出てきたなと思ったら最終話でやってくれた。

『THE SINNER』のシーズン4は、シーズン2・3の低空飛行からのV字回復であったが、ここで打ち切りという事で残念。

『ザ カップヘッド ショウ』は、あまりバックグラウンドが無かったゲームのキャラクタをその特徴から上手くアニメオリジナルの脚本へと肉付けし、スラップスティックコメディとして成立させいて上手いと唸る作品。ゲームの方はDLCが今年出るらしいので、そのタイミングでまた再プレイしたいですね。

 

あとまだ数話しか見ていませんがビンビン来ているのが、アマプラの『怪物』、Netflix『未成年裁判』。

そんな韓国ドラマでは3月末にApple TV+にミン・ジン・リーの傑作『パチンコ』のドラマ版が来るのでめっちゃ楽しみ。

 

 

最後に音楽。

SOLAH - Everything Is Possible

 

今月のLiquid。

この美しさ。ヴォーカル、トラック、全て完璧です。

 

電音部 · 白金 煌 (CV: 小宮有紗) · SAK - Platinum White (Prod. Hiroshi Okubo)

 

電音部。満を持しての大久保博氏ですよ。

どストレートなハウス。これこそってのを持ってきましたね。

ただヴォーカルの甘ったるい歌い方がソリッドで透明感のあるトラックの邪魔をしているのが気になって仕方なく(コーラスが良いだけにマジでもったいない)、せっかく素晴らしいトラックメイカーを呼んで来ても電音部全体にピンと来ないのはこの辺りの感じなのよって所。何度も言うがトラックそのものは素晴らしい。

 

電音部だと過去にリリースされたコレとか

電音部,Moe Shop,犬吠埼紫杏 (CV: 長谷川玲奈) - Eat Sleep Dance (feat. Moe Shop)

 

コレみたいに

電音部,kz,日高零奈(CV:蔀 祐佳) - Favorite Days

 

これぐらいデコレーション過剰なトラックの方が声優さんの声質と合うのかもしれんね。

 

Disrupta Ft. Javeon - Connection

 

最後に最近の帰宅曲でした。