月刊 追い焚き作業

見て聴いて読んで遊んだ記録です

2023年1月の話と2月の購入予定

今年は特に寒いねー。

寒いので暖房ガンガン使ってたら、めっちゃ電気代高くて笑ってしまった。明細見て「おぉぅ」って声出たの初めてだよ。

 

そんな2023年2月の購入予定です。

2月24日

Switch『星のカービィWii デラックス』

Wii版のオリジナル作品を未プレイだったのでこの機会に。

 

今月はこの1本かな。

龍が如く 維新 極』はいつかやるリスト行きですかね。

発売日が2月下旬というタイミングが悪く、3月頭には『Wo Long: Fallen Dynasty』があるので下手に手は出せないなという。龍が如くシリーズはどうしてもプレイ時間が長いしね。まぁカービィ優先ですよ。

あとGAME PASSではAtomic Heartが来るそうなので、そちらも機会があれば。

 

今月はこんな感じで。

 

先月プレイしたゲームは、相変わらず『アサシンクリード オリジンズ』を延々とプレイしていたので特になし。

本当にアサシンクリードジャンキーですよ。何回やるんだよっていう。

さすがにちょっと反省しているので、今月はもうちょっと色んなゲームやろう。

 

 

それではここからお家エンタメ。まずは本。

日比野コレコ(著)『ビューティフルからビューティフルへ』

2022年の文藝賞受賞作。

 

高校生のナナ、静、ビルE(MCネーム)の3人の視点で進む日常。

ただ、物語の背骨となるような出来事はなく、ただ淡々と変化している彼らと周囲の状況がそれぞれの視点によって語られていく。

 

本書が何よりも特徴的なのが、独特の文体。

主人公の一人であるナナはいわゆる宗教二世であり、なかなかに辛い人生を送ってきているが、その生い立ちを書く場面で

生まれる、ネグレクトネグレクトネグレクトネグレクトネグレクト、小学校入学、いじめられるいじめられるいじめられるいじめられるいじめられる、中学校入学、いじめるいじめる、高校入学、いじめるいじめる

と表現されており、これにはまいった。

中身のシリアスさとは逆に過剰な反復により生み出される客観性は、ネイティブに他者からの視線が強い時代を生きているからこそ、自分の出来事さえもある種の軽さを持って捉えることで、被害者であり加害者である自身のダメージカットをしている。

 

こういった個々人に生きづらさを抱えながらも自己の多面性を見せるような媒介物をコミュニケーションの表層に出さず、出来るだけお互いを知らず済ませるディスコミュニケーションとしてお互いの土地をまたがないことがマナーとされる現代の人間関係において、本音は常に隠される。

そんな隠された感情の中でも、ライトに使われがちな意味とは逆に心の奥底に隠される言葉の代表格でもある"死にたい"という感情。

 

福祉や道徳が行き届いた現代において、彼らが持つ非常にパーソナルで多種多様な死にたいという感情は"希死念慮"という一言に吸収され、心の底から上澄みまでプカプカと浮き沈みする死にたさのグラデーションが蔑ろにされていく。

本書ではそれを

白に二百もの種類があるように、あなたの『死にたい』って何種類もあるでしょ

と表現してくるから、このフレーズにまたやられてしまう。

もちろんこれは「白って200色あんねん」というアンミカのキラーフレーズを継いだ形であるが、このコラージュの面白さ。

 

死にたいという日々と、朝メイクが上手く行って顔面の出来が良い最高な日という振り幅の中で綱渡りをしつつ生きる彼ら。

多様な関係の中で生まれるある種の宣託のような言葉をありがたがり、その言葉の中からパンチラインパワーワードを生み出し、それをエネルギーへと変えてゆく。

そしてまた、彼らの傷口にも塗られたそれらの言葉は、本編で何度か語られタイトルでもある"ビューティフルからビューティフル"へという矜持へと昇華していく。

 

しかし、中年のおっさんである私には本作で語られた彼らの感情を全て理解出来たとは言えない。

ただそれでも、私の共感を絶対に彼らに悟られないように。それは背負っている物が違うにも関わらず安易な共感によるキモさを強く内包した上から目線の攻撃性を彼らに感じさせないように、密かに頷きたくなる作品。

 

SNSネイティブであるが故の強い言葉の選び方、マスに向けた物ではなく自分自身でメンターとなる人物を選ぶセンス、そこから生まれた言葉で登場人物たちにサイファーさせるような会話の見せ方。

久々に文章を読んで、ただただカッコいいと思える作家に出会った。素晴らしい。

 

 

同じ文藝賞では、安藤ホセ(著)『ジャクソンひとり』もすごく良かったですね。(こちらは芥川賞にもノミネートされてました)

主人公はジムでマッサージをしているブラックミックスでゲイの男性ジャクソン。

彼の家だけでなく複数人へと勝手に届けられた服には、デザインに混ざってQRコードが入っており、そこにアクセスすると個人撮影と思われるゲイによる特殊な性行為のポルノ動画が公開されていた。

その映像は、多くの日本人にとって黒人のゲイ男性の性行為の動画という意味以上の情報を受け取る事が出来なかったため、職場の食堂にてこの動画の男性は君だろうと誤解を受けるジャクソン。

彼は誰が何の為に流出させたかわからない謎の動画の出どころを追う内に、同じくブラックミックスでゲイで背格好も同じという4人の男性と出会い、共に動画の出どころを探る。

 

多くの日本人にとって人種の異なる人々の顔の細かい差異を見分ける事は難しいからこそ、彼らは誤解を受ける。

だが逆にそれを利用し、彼らはそれぞれを交換して生活しながら犯人を追う。

 

登場するキャラクタ4人の書き分けがされているし、それぞれ個性的な彼らなのだが、ページが進むうちに読者すらその4人が誰なのかわからないほど混ざっていくという、読者を煙に巻き、「お前も大多数の日本人と同じだよ」と食ってかかるような構成が面白い。

 

学校でも会社でもなんでも良いが、あるコミュニティやカテゴリの中で実は自分は他者と交換可能であるということを自覚するってのは通過儀礼として誰もがあると思うけれど、それを人種という形で実感するが故の絶望という視点は新しかった。

 

上記のお二人とも本作がデビュー作となるが、今後確実にもっともっとぶっ飛んだ凄い作品を書いてくれるポテンシャルをギュンギュンに感じたので、今後が楽しみですね。

 

 

それではここから映像コンテンツ。

Netflixカレイドスコープ』

巨大なハリケーンのさなかに金庫から債権が盗まれたという実話から着想を得た犯罪ドラマ。

本作が特徴的なのが、全8話を視聴者がどこから見ても良いという仕組み。

要は、どの順番で見るかによって物語の印象が変わるという、人によって色の見え方が変わってくるという万華鏡なコンセプトで作られたドラマ。

 

という作品だが、正直うーん。

そもそも、視聴者が見る順番を選べるってコンセプトがやっぱ難しいですよね。

去年(一昨年だったかな?)に作家の道尾秀介が『N』という本を出していて、それも収録されている短編を読む順番を読者が選べる作りになっていたが、作品としてはあまり上手くいっておらず、道尾秀介でさえやっぱ難しいのかと残念だった記憶があるんですよね。

結局このコンセプトでは、どれを最後に持ってきても良いという作りにならなければいけないが、そうすると一つ一つのエピソードが逆に弱くなると言いますか。

 

キャラクタの深みがなく、誰もが薄っぺらい単調な人物ばかりになってしまっているうえに、無駄なロマンス要素の入れ方が時代遅れ。そもそもプロットにツッコミどころが多すぎるという、酷評しようと思えばいくらでも粗が出てきてしまうので、見る順番どうこう以前の話なのかもしれないが。

ただ試みとしては面白いし、単純な犯罪ドラマとしてはそれほど悪くないと思うので、お暇なら。

 

 

あと映像コンテンツとして、去年の年末から実施されていたRTA in Japan Winter 2022』は、当日のライブだけでなく、先月いっぱいアーカイブを見て楽しませていただきました。

正攻法でのクリアから、バグや仕様を利用した技まで、相変わらずどうやってそれを思いついたのか謎なテクニック満載。

特に『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の爆弾持って左右にくねくねしながら空を飛んでいって、空中からダンジョンに入ってボス倒すとか、『MOTHER 2』の壁抜けと乱数調整を駆使してゲームをフリーシナリオにしてしまう所とか、『鉄騎』の六角レンチとか、メチャクチャ過ぎて面白かった。

もちろんラストの『スーパードンキーコング』リレーの極まりすぎて意味不明な超絶プレイも最高。

参加者や関係者の皆様お疲れ様でした。今回も素晴らしいイベントでした。

 

 

最後に音楽。

DE DE MOUSE 白金 煌 (CV: 小宮有紗) 電音部 - Sweet Illusion

久々に電音部から。

最近のDE DE MOUSEらしく甘めのポップスとして上手く出来上がってる。

 

DÉ DÉ MOUSE & WaMi 「Daylight & Night」

最近のDE DE MOUSEはこちらも良かったですね。

 

YUKIYANAGI - Fly High

MEGAREXのコンピ『TECHCORE EVANGELIX 03』からの一曲。

アルバム自体が先月のドライブ曲でしたが、その中でも一番アガるのはコレでした。

 

Tristan - Something Like This

 

Tristan - Shadow in the Moonlight

Tristanらしい70~80年代ジャズ・ファンクの雰囲気と、このグルーヴ感。

3月にアルバムが出るらしいので、そちらも超楽しみにしてます。

 

こんな感じで今月はおしまい。

それではまた来月。

2022年に読んで面白かった本など

遅ればせながら、あけまして。

 

毎月最初はゲームの購入予定を書いていますが、今月は特になし。

それに遊んだゲームの話も年末にさんざん書いたので、今年初めの更新は昨年読んで面白かった本をサラっとまとめます。長くなるとアレなので薄くペラッとね。

あとせっかくなので、今までブログで紹介してない本を中心にします。(ちゃんとチェックしていないのでかぶってたら、また同じ話してるよって暖かく見守ってください)

 

まず2022年に読んだ中でベストと言える作品を2つ。

エルヴェ・ル・テリエ『異常【アノマリー】』

殺し屋、建築家、弁護士、夫と妻と娘の3人家族など多数の主人公が切り替わる群像劇のスタイルか、なんて思いながら読み進めていると気づく彼らに共通する一つの出来事。

SFの面白さの一つに思考実験という要素があるが、その部分がグリグリ刺激された作品がこれ。

全ての登場人物それぞれの物語の行方、その彼らに持つ共感を巧みに操られた挙げ句に迎える物語の締め方に震えた。

 

 

もう一つベストと言えるのが、タナ・フレンチ『捜索者』

シカゴで警察官をしていた男性が妻と娘と別れて仕事も辞め、アイルランドの田舎へ移住する所から始まる。

手に入れたのは広い土地とボロボロの一軒家。

壁紙を張替え、家具を修理し、土地の人々と交流をし、近所の子供がちょっかいをかけに来て、なんて描写が延々と続くのだが、これが面白い。

わざわざ今の時代に小説を読むなんて行為をしているのは、こういう文章を読むためのなのだよって言いたくなる。

 

中盤からは、その近所の子供が行方不明になった兄を探して欲しいという依頼から物語が動いていく。

その着地点はまさに田舎という解決の仕方でとても良い。

 

 

国内の現代文学からは、宇佐見りん『くるまの娘』

どうしようもない家族の話であるが、このどうしようもなさこそが家族。

絆(きずな)という嘘くさい言葉ではなく、傷つけボロボロになった関係から生まれる絆(ほだし)の世界。

宇佐見りんは心理描写のリアリティや比喩表現の上手さなど全ての面で確実にそれも一作一作飛躍的に文章が巧みになっており、末恐ろしさすら感じる。

 

 

もう一つ家族の話では凪良ゆう『汝、星のごとく』

少々問題のある親に育てられ、小さな島の中での相互監視の中で青春時代を過ごした男女の物語。

凪良ゆうらしく相変わらず長尺の即死コンボを見せられているかのような不幸の連続ではあるが、地の底から見える星の美しさが胸を打つ。

 

今年は凪良ゆうや一穂ミチなど元BL作家というくくりで紹介される2人の作家に出会えた事が良かったですね。

特に一穂ミチ『スモールワールズ』本当に素晴らしかったです。中でも『魔王の帰還』と『花うた』が大好き。

 

 

ミステリからは白井智之『名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―』

人民寺院集団自殺(大量殺人)からインスパイアされたミステリ作品。

発生する事件のスケールの大きさと提示される謎。そしてタイトルの意味。

全ての疑問が明かされる解決編の美しさは今年一番。ぜひ前情報なしで。

 

ぶっ飛んだ設定とグロい描写など白井智之らしさが感じられる『お前の彼女は二階で茹で死に』は昨年文庫化されましたので、そちらもぜひ。

 

 

あと普段本をあまり読まないけど何か読みたいなって方には、夕木春央『方舟』

地震によって地下施設に閉じ込められた男女10人。出入り口の特殊な仕掛けにより、ここから出るには誰か一人を地下に残さなければならないが、そんな中殺人事件が発生する。

地下の浸水により残り時間が迫る中、犯人を探しだし、その人物に仕掛けを操作させられるのか。

 

適度に短いページ数と文章の読みやすさ、そして何より最終章で全てが回収される伏線とどんでん返しというミステリのエンタメが詰まった作品。

今でもSNSなどで数十年前の作品が若者や読書初心者向けに取り上げられたりする事が多くありますが、この作品も今後末永く何度も話題になるであろう作品。

 

 

短編集からは、サラ・ピンスカー『いずれすべては海の中に』がベスト。

チップに残った記憶により義手が道路と繋がる物語。

ライブコンサートが配信ばかりになった世界で、生のライブが忘れられないバンドの物語。

などSF作品が詰まった短編集。

 

地球を捨て宇宙船だけで全ての営みが出来るようになった未来。そんなある日、地球から持ってきた歴史や音楽や映画、小説など全ての文化が保存されていたストレージが破壊される『風はさまよう』が一番好き。

年齢を重ねれば重ねるほど見えてくる歴史の重要性と、懐かしいという感情の大切さ。

元地球出身の乗組員と、宇宙船で生まれた新世代の若者達とズレがとても良い。

「過去から学べない者は、過ちを繰り返す」という言葉に抜け落ちているのは、記す者のバイアスのかかっていない過去の記録など無いという事。ひょっとすると忘却こそが新しい時代を作る鍵となるかもしれない。

 

この短編集はどれもがオープンエンドなので人を選ぶかも知れないが、センス・オブ・ワンダーに溢れた作品集。

 

 

昨年も多くの芸能人などタレントさんが本を書いていましたが、その中で印象的だったのがBiSHのモモコグミカンパニー『御伽の国のみくる』

アイドルを夢見ながらメイド喫茶で働く主人公やその客たちのどうしようもない日常のままならなさ。

小説の出来としてはイマイチではあるが、アイドルヲタなど身近で見られるからこそ血の通った登場人物の嫌な描写の上手さが光る一冊。

 

 

そして芸人からは紺野ぶるま『特等席とトマトと満月と』

20代の未婚女芸人が主人公。それほど売れてはいないけど実家暮らしで、ある程度顔は良いと言われるし、食える程度に仕事は来るというモラトリアムな心情がみずみずしく描かれている。

登場人物だけではなく、彼女の周辺の人間の描き方がとても丁寧で面白かった。

この著者はたぶん自らの経験だけでなく、そこから飛躍した物語を書ける力はあると思うのでぜひチャレンジして欲しいし、他の世界を読みたい。加藤シゲアキみたいに化ける可能性はありそうなんだよな。

 

 

ノンフィクションからは、川内有緒『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』

目の見えない人に目の前にある絵画を説明するにはどう伝えればいいのか。

絵を隅々まで見て、そこに人は居るのか風景画なのか、背景は空なのか部屋なのか、色彩は鮮やかな色なのか暗い色なのか。

細部を言葉にして語ろうとすればするほど、実は私達は絵をほとんど見ていなかった事に気付かされる。

 

よく私とツレで一緒にドラマや映画を見ている時に、彼女はよく登場人物の服装に気をかけて見ている事にいつも驚かされる。

逆に私はそういったものにまったく興味がなく、背景の小物や風景など中心からズレた所を見てしまう癖があるらしく、作品を観た後で話しているとお互いに「なんでそんな所を見てるの?」と言い合う事が多い。

この面白さですよね。

人は経験やくせによって見る箇所は大きく違い、それによって作品の見え方すらも違ってきてしまう。

 

そしてまた特にアートなどハイカルチャーの分野に関しては、情報や基礎知識が重要であり、誰かに伝える際もどれだけフラットに間違いない情報を伝えるかが大事な事だと思いがち。

だが、そうではなく人それぞれの視点、それは住んでいる場所から観光で行った場所、好きな食べ物から仕事までさまざまな経験や嗜好によって一つの絵を取っても見え方が違ってくる。

あえて絵のディテールや感じた印象を言葉として語る事によって、アートを情報として摂取したり作者の意図を正確に掴もうとするのではなく、誤読することさえも味わいとするという試みとなっておりとても面白い。

目の見えない人と見える人の差異を埋めることではなく、それぞれの違いというものをアートと対話を通じ、また目の見えない白石さんを触媒として体験することにより、ただ漠然と鑑賞するのではなくもっとパーソナルな体験としてアートを楽しむという姿勢の重要性に気付かされた。

 

 

まだまだノンフィクションから、高橋篤史『亀裂 創業家の悲劇』

有名企業を作り上げた創業者。その会社を継いでいく際の跡継ぎの問題。

セイコー大戸屋、ロッテ、ゲオなどそれぞれの創業者が強烈なキャラクタによって大きくしていった会社の引き継ぎ、そして彼らの家族のいざこざが丁寧な取材によって書かれている。

 

本書でもエンタメとして面白いのは、ソニー創業者の盛田昭夫の長男 盛田英夫の話。

スキー場開発の失敗から、F1への散財、そして東南アジアへ醤油を売る事業と、どれもこれも失敗してすっからかんになっていく様は豪快過ぎて笑ってしまう。

 

あと大塚家具のお家騒動。

父娘のごたごたの末に大塚久美子が引き継いだ大塚家具自体は結局ヤマダ電機(ヤマダホールディングス)の子会社となったが、その際に大塚家具の経営を立て直せなかった大塚久美子社長を外すかと思ったらそのままにしていたんですよね。

それを著者はヤマダ電機の創業者である山田昇の娘が26歳の若さで事故死していた事に絡め、おそらく大塚久美子に娘を重ね合わせて彼女の活躍を期待したのだろうと締めている。

その部分を読んで思わず『うーわ!著者エモっ!』って声出たよ。

 

 

ちょいと変化球としてMisa『韓国ドラマの知りたいこと、ぜんぶ』

なんだかブームにのって適当なライターが安い原稿料で書きなぐったようなタイトルに似合わず、内容はなかなかの充実度。

著者は韓国在住で一般企業で働きながらブログなどライター活動をしている方。

 

私のようにここ数年で韓国ドラマにハマっていろいろ観ていると、「あれっ?」って思うぐらい自分と好みが合わない作品があったりする。

そういった齟齬は割とあるあるらしく、最近の韓国ドラマはジャンルが多様化し、それぞれのターゲットとなる視聴者に向けて先鋭化した作品作りがなされているらしい。

本書ではそれらのジャンルとして、『ロマンス』『ドロドロ』『サスペンス・ホラー』『サイダー(炭酸飲料のような爽快感のある作品)』『リアリティ』の5つのジャンル、そこから派生するサブジャンルに分類し、代表的な作品を列挙することで自分の好みの把握と次に観たい作品がパパッとわかるようになっている。

 

またそれだけでなく、世界的なムーブメントとしての韓国ドラマ・映画の躍進の原動力はどこから来るのかの考察。

そこで特に驚いたのが、現場で働く監督やプロデューサーから脚本まで、現在の韓国ドラマは若手や新人をバンバン使うなど、世代交代や新陳代謝を活性化させた業界になっているそうで。

新人が多い分野だからこそコアな韓国ドラマファンの間では役者やスタッフ・制作会社の名前での前評判で作品を選んで見るものではないという認識が出来ているのに驚いた。

日本でも新人の脚本家を使い大ヒットを飛ばした『Silent』が日本のドラマの流れを変えるのではと言われているように、どんどんと新しい人が出てくる分野は面白いですよね。

 

 

鮫島浩『朝日新聞政治部』は現在の新聞メディアの滑落が朝日新聞を通してわかる一冊。

誰の為の報道なのかを見失い保身に走ったことにより、朝日新聞の政治部が死んだ瞬間がよくわかる。

シュリンクし続ける業界はどこも沈む船の椅子取りゲームになっているが(日本全体もそうですね)、報道機関ですらもここまで堕落し、ジャーナリズムのかけらも無い会社が新聞を発行しているという事実に頭がクラクラしてくる。

普段から新聞を読む、また複数読んでいる方はここ10年弱で政治報道が画一的になってきたことが実感としてあると思いますが、アクセスジャーナリズムによる既得権益化への危機感すら感じられない新聞業界はもうダメかもしれんね。

同じ報道のテーマでは、斉加尚代『何が記者を殺すのか』もぜひ。

 

そして、鈴木エイト『自民党統一教会汚染 追跡3000日』

おそらく世間のほとんどが忘れていたというか、過去の問題となってしまっていた統一教会をここまで長く取材をし続けていた事に対する敬意として、2022年の一冊として外せない。

 

 

他にも読んで面白かった本はまだまだありますが、キリがないので終了。

2022年の本はこんな感じですかね。

相変わらず新刊を買っても積んでばかりの日々ですが、さすがにちょっと反省しつつあるので今年はその積みを少しでも減らせればと思い、一生懸命去年買った本を崩している途中です。

そこはそれとして、今年も楽しい本がいっぱい出てくると良いですね。

 

 

最後にせっかくなので、2022年に見たドラマ・アニメと映画から素晴らしかった作品を順不同で5つ。

ドラマ・アニメは、

『パチンコ』(AppleTV)

モアザンワーズ/More Than Words』(Amazonプライム)

『キャシアン・アンドー』(Disney+)

『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(Netflix)

サイバーパンク エッジランナーズ』(Netflix)

この5つ。

次点で『ウェンズデー』(Netflix)、『二十五、二十一』(Netflix)、『エルピス』(フジテレビ)ですかね。

ストレンジャー・シングス シーズン4』も良かったし、『ベター・コール・ソウル シーズン6』はもう殿堂入りですね。ドラマとしては『ブレイキング・バッド』を越えてしまった。

 

アニメは『リコリス・リコイル』『コタローは1人暮らし』も本当に面白かった。

あと『ちいかわ』はその短さから全話見ちゃってます。たまに人の夢の中を見ているような世界観が出て来てクセになる。

 

映画は、

トップガン・マーヴェリック』

ハケンアニメ』

かがみの孤城

『NOPE』

西部戦線異状なし』(Netflix)

この5つ。お前どんだけ辻村深月好きなんだよと言われそうだが、好きだからしょうがない。

辻村深月の本はもう著者自体が殿堂入りみたいなものなので紹介する必要も無いかと思っているが、その原作の完成度を損なうことなくそのまま映像化されていてとても良かったですね。

 

2022年のまとめはこんな感じで。

次回更新からは通常のスタイルに戻ります。それでは、また来月。

2022年に遊んだゲームを振り返る

毎年最後の更新は、今年遊んで良くも悪くも印象的だったゲームを振り返ります。

2022年に私がプレイしたゲームなので、それ以前の発売の物も含まれます。

ハード表記は私がプレイした機種(または互換で走らせた)となります。

感想はプレイ当時のもので不満点などはアップデート等で解消されているかもしれません。ネタバレ等もあります。あしからず。

 

 

・PS5『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』

死の雨によって滅びた王国を舞台としたメトロイドヴァニア

道中やボス戦などかなり凝った作りで、操作のレスポンスや程よい難易度調整などインディーズゲームっぽい尖った作りではなく、万人向けのアクションゲームとして満点に近い出来。

ゲームを進めていくと徐々に判明してくる王国が滅びた理由。その記憶の断片を集めて、大きな本流へと流れていくストーリーはお見事。

冷たい石で組まれた城と湿った草木の生い茂る生きる物が誰もいない世界を舞台に、静かに続く悲しみの戦いの果てに描かれるエンディングは、多くのプレイヤーの心に刺さるものであると思います。

 

 

・Series X『A Short Hike』

主人公は鳥となって、携帯電話の電波が入るという自然公園の中にある山の山頂を目指すゲーム。

フィールドマップの方向性として、だだっ広い平原を作るのではなく、中央に高い山を配置してその周辺を周るようにイベントが配置されているという珍しいゲーム。

コレと言った大きな出来事が起こるわけではないが、可笑しみのある登場人物との交流と、プレイヤーを飽きさせないよう設計されているマップ作りの上手さにより、面白さがギュッと詰まった満足度の高い作品。

 

 

・Series X『Dying Light 2 Stay Human』

ストーリーはしょうもないが、オープンワールドでゾンビとわちゃわちゃしながらパルクールで飛んで跳ねての大立ち回りというオリジナリティにより、このシリーズでしか味わえないテイストがある。

ビルの屋上からゾンビをドロップキックで蹴落とすのって何度やっても面白いんだよね。

ただ本作では夜の危険性やスタミナの制限など、ゲームとして真面目にバランスを取ろうとした結果、若干窮屈な作りになっており全体的に爽快感がダウンしているのが残念。

前作同様、今後も数年かけて調整やコンテンツが追加されていくのであれば、数年後にプレイしたらまた違った印象になっているような化ける可能性はあります。

 

 

・PS5『Horizon Forbidden West』

機械獣との戦い再び。

前作よりも属性など戦闘システムが複雑になっているが、それらのシステムへの誘導の上手さやチュートリアルのわかりやすさなどちゃんと遊びやすい作りになっていて、より自然に主人公を操作出来るようになっているのは凄い。

鬱蒼と生い茂る草や険しい岩肌など背景のグラフィックが細かく書き込まれている。そんなゴチャっとした画でありながら、色による視線誘導やギミックの配置などプレイヤーが過度に迷わないようにしつつも、あくまで世界観を壊さないよう違和感なく配置(配色)されているその塩梅が上手い。

終盤に向かってガッツリとSF的なぶっ飛んだストーリーになったのには驚きました。

 

 

・Series X『ELDEN RING』

近年のオープンワールドは、ノウハウの蓄積によるゲームとしての作りやすさや、プレイ時間を長くするなどビジネス的な側面がより目立つジャンルになってしまっていた。

それを本作は、もう一度ゲームの中でプレイヤーが探索をしたいという気持ちを起こさせるような、未だかつて見たことのない新たな世界を創るというチャレンジをしており、それが見事に成功している。

不便なマップや分かりづらいイベントなどかなりプレーヤーを振り落としに来る作りではあるが、それを冒険とはこういう物として強引に納得させるだけの作り込みの凄さ。

 

ただゲームバランスの点でイマイチ好きになれず。ボスのノーモーションでの動きやワンテンポ遅らせるフェイント、プレイヤーが取れる動きの仕様を見越した不自然な動きやリーチなど、負ける原因となる覚えるべきムーブのどれもがあまりにも計算された動きによるひっかけのような攻撃ばかりで単純に楽しめなかった。

オープンワールドの完成度には圧倒されたが、シリーズとして成立させる(ユーザーからも期待されている)ための難易度的な都合が優先された調整である事が透けて見えることにより、世界に亀裂が入り体験としての純度を下げている。

ただそれでも2022年を代表する1本であることは間違いない。

 

 

・Series X『RPGタイム! ~ライトの伝説~』

子供の頃に作った人も居るであろう、ノートを使った自作のゲーム。

それを突き詰めた作品がコレ。

えんぴつで描かれたキャラクタや背景が動き、その冒険の世界はノートだけでなく、机の上の工作にまで飛び出す壮大な作品。

 

ただこの作品のあまりのこだわりというか過剰さ、そしてどこか不穏な世界観にアウトサイダーアート味を感じた作品。

この作品に関しての感想は短くまとめてしまうと大きな誤解を生む可能性があり、詳細は当ブログの過去に長々と書いたので、興味がある方はそちらで。

https://murutori.hatenablog.com/entry/486258283.html

 

 

・PS5『グランツーリスモ7』

長期的なアップデートとサポートに対しての収益モデルを大型DLCなどではなく、マイクロトランザクションに一本化していることにより、リアルで金が無いやつはゲームでも車が買えないという事実を突き付けられる基本無料のような有料ゲーム。

車のモデリングは最高だしプレイフィールもさすが(ただしハンコン必須)、車の楽しさを伝える見せ方も情熱的で間口も広く作ってあるが、新車はたけーし、中古車はいつもどおり入れ替え制で欲しい時には買えないというカーライフシミュレータとしての硬い姿勢は崩れていないので、なんだかアンバランスで偏屈なゲームに見える。

 

 

・PS5『Ghostwire: Tokyo』

手の動きがエロいオープンワールドFPS

日本人が作った日本の渋谷というマップだけあって、ディテールの完成度がゴイスー。

今まで海外のオープンワールド作品、それもリアルな都市を舞台としたゲームをプレイしていて、実際の場所に行ったことがあったらもっと楽しいんだろうなと思っていたが、やっとその願いが叶いました。

ゲームとしては単調かつ簡単過ぎてあまり面白く無いけれど、このリアルな渋谷の風景を歩く妖怪を見れるだけである程度価値があるゲーム。

リリースからかなり日付が経ってからアップデートで修正されたものの、発売直後はスティックのデッドゾーンと加速の調整が「あなたたち今までFPSのゲームをコントローラーでやった事ありますか?」レベルの酷い設定(コンフィグで変更出来ない部分)になっていたのが致命的でした。

 

 

・Switch『星のカービィ ディスカバリー

プレイしている間「はぁー…カービィかわいい…」とつぶやき続けてしまうぐらいカービィの魅力が詰まったゲーム。

カービィ初の3Dアクションゲームなのに、この安定感はさすが任天堂(HAL研)と言ったところか。

ゲーム内のカービィがひたすら食べ続けるように、それを動かすプレイヤーに対してもちょっと小粒で重すぎず、でもひたすら楽しいステージがズラリと並ぶような、味と種類とデザートが充実しているビュッフェみたいな楽しさがあるゲーム。

全年齢楽しめる素敵な作品です。大好き。

 

 

・Series X『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界~』

Borderlands』シリーズのスピンオフ。

TRPGのボードの上で遊んでいるという体のゲームなので、ゲームマスターであるタイニーティナが直接ボードに触ってマップを変更するなどギミックが面白い。

ルーターシューターとしては銃だけでなく、クロスボウなど武器の種類も豊富で普通によく出来ている。

ただ過去シリーズに見られたゴア演出が本作は少ないので、爽快感が大幅にダウンしているのが残念。強い銃を拾ったらそれで敵の頭を吹き飛ばしたいし、爆破して肉片にしたいんだ。

ボリュームが少ない(エンドコンテンツまでが早すぎる)という声を多く目にしたが、おっさんにはこのぐらいでちょうど良い。

 

 

・PS5『アサシンクリード ヴァルハラ』

大型のDLCが一通り出揃ったので再プレイ。

北欧神話ラグナロクに至る道を描くDLCラグナロクの始まり』は、あくまでも神話をベースにしてストーリーが進みつつも、最後にスルトを倒すというゲーム的なゴールによって逆にカタルシスの無いストーリーになっていて笑った。

ラグナロクで登場人物全員死んだ方が良いとは言わんが。

 

しかし、本当にアサクリシリーズは観光ゲーとしてメチャクチャ面白いねー。

ゲームを終わった後に、その当時の歴史を知れる本を買って読んで、ゲーム内のディスカバリーモードでより舞台背景の知識が入ってくると、また最初から遊びたくなる。

今、また『オリジンズ』やりたくなってきてるからね。沼よ。数年おきにローテしてずっと遊べる。

 

 

・Series X『ソウルハッカーズ2』

触ってわかる低予算。

セガサターン以来のナンバリングタイトルで、前作は『女神転生』シリーズをベースとした普通のターンベースRPGでしたが、本作ではいつもの敵の弱点を突いて戦うゲームに変更。

もしやアトラスはこのシステムをこすり過ぎて普通のRPGが作れない体になってるのだろうか。

弱点を突いた数によって仲間の悪魔を呼び(スタック)し、ターンの終わりに総攻撃をかけるというペルソナ3以降の亜種という感じで、その中途半端さも印象を悪くしていた。

 

登場人物の死から始まるストーリーはそれほど悪くないし、ゲーム的にも大きな不満はない作りなのだが、同じ風景が延々と続く退屈なダンジョンに、プレイヤーに対してドルミナーがかかるゲーム。

 

 

・PS5『Stray』

猫ちゃんかわいい。

 

 

・Series X『Metal: Hellsinger』

DOOM的なスポーツ系FPSの操作感をベースに、ゴリゴリのメタルのBGMに合わせて銃を撃ったりリロードするゲーム。

画面中央のレティクル部分に拍を取るノーツが表示されており、それにあわせて攻撃するというシステム(『Bullets Per Minute』『Crypt of the NecroDancer』的な)。

ステージ開始時はシンプルな構成のインストから始まり、リズムにあわせて銃を撃ちコンボを繋げていくとヴォーカルが入って超盛り上がり的な流れ。

単調かつ使いまわしのボス戦などマイナス点はあるものの、リズムに乗って悪魔をブチ殺していくテンションの上がり方は唯一無二であろう。

個人的にメタルなサウンドは好みではなく、ベースミュージックなどハイテンポで低音ズンズンな音楽じゃないとアガらない人間なのですが、それでも相当ノリノリで気持ちよく遊べたので、そっち方面が好きな方ならステージクリアする度にメロイックサインしちゃうくらい楽しく遊べると思います。

 

 

・Series X『Turnip Boy Commits Tax Evasion』

野菜の国に住んでるカブの少年に突然届く納税通知書。

なんのこっちゃわからんカブ少年は、多額の税金の説明を聞き、なんなら脱税するべく市長の元へ行き、彼の小間使いとなってどさくさに紛れて税金踏み倒そうぜっていうゲーム。

カブ少年がニコニコ善人顔で脱税を決意するというメチャクチャな話なのだが、実はそれすらもカブ少年というキャラクタのヤバさから来る設定というのが面白い。生粋のアナーキスト

 

世界を救う、恋人を助ける、想像の世界を創る、キャラクタをコレクションする、試合で勝つ、マルチプレイでトップの成績を取るなどゲームではさまざまな達成感を得る事が出来るが、そこに一つ、税金を踏み倒すという快楽を見つけた発想が面白い。

 

ゲーム的には2Dゼルダオマージュな作りで基本を抑えた堅実な作りでよく出来ている。

あとBGMもメッチャ良いのでオススメ。

 

 

・Series X『TinyKin』

ピクミンのオマージュ作品。

小さくなった主人公が家の中を探索するというワクワク感と、パズルや謎解きの面白さが詰まった作品。

やわらかい世界観と小気味良い操作面などストレスが無く、ゲームオーバーなどもないのでボンヤリと延々と遊びたくなるゲーム。続編出たら絶対買うよ。

 

 

・Series X『百英雄伝 Rising』

来年発売されるRPG『百英雄伝』から3人のキャラクタをピックアップして主人公にしたアクションRPG

それぞれ攻撃特性を持った3人を切り替えながら進んでいくスタイルで、コンボ中にキャラクタを切り替えたり操作感がクイックで心地よい。

とてつもなく大量に出されるサブクエスト(お使い)を、快適なファストトラベルなどによって高速かつ無心でこなしていく中で謎のアッパーさが生まれるゲーム。

本編も楽しみ。

 

 

・Switch『スプラトゥーン3』

スプラトゥーン2』と一緒じゃねっていう印象のままずっと遊んでた。

まぁそれだけベースの出来が良いからいくらでも遊べるし、シーズン制になったりとたまにやりたくなる作りではある。

試合時間も短いので、ちょっとやりたいときにサクッと遊べる感じは、このシリーズの一番良い所です。

 

シングルキャンペーンのヒーローモードはジャイロ操作やさまざまな武器になれるためのチュートリアルとしてのステージ構成の優秀さに舌を巻いた。

ただ終盤の難易度がヤバすぎ。これだけの本数が売れる(売れる見込みがある)作品なのにこんな難易度を持ってくる任天堂の怖さよ。昔からこういう所あるよね君たち。

 

 

・PS5『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク

2022年のマイベスト作品。

 

前作からの続きとなる、息子と親父の旅路。北欧神話編の最終章。

ひとり立ちしていく息子。そして子育てという役割を終えた親が新たなアイデンティティを獲得するストーリー。

PS2の初代『God of War』からこれまでの戦いの中での怒りと嘆き、復讐と後悔を経てたどり着いたクレイトスさんの終着点と新たな姿に、胸がいっぱいになりました。

 

ただゲーム的に完璧かというと、そこまでではなく。

前作同様、相変わらず戦闘部分は単調でやれる事が少なく、それに対応した形で敵の攻撃も設計されているので、ただただ簡単で退屈なバトルが延々と続くのはマイナス。

しかも前作から採用された肩越しの視点は、自キャラが大きく表示されるので1対1のダイナミックな戦闘の演出としては良いものの、集団戦になると途端に視界の悪さが足を引っ張ってしまう。この視点を採用した『バイオハザード4』がその視界の狭さをホラー演出としていたように、どうしても視界外の敵の動きが見えない為に、1対多数の敵を相手にするシーンのつまらなさが際立ってしまう。まぁこれは一長一短ですけどね。

 

欠点と言える部分はそれだけで、あとは文句無しのゲームではないでしょうか。

私がこれまでプレイしてきたゲームの中でもオールタイムベストの一つに入る作品です。

 

 

・Series X『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』

無印版はPS4の発売当時プレイしたので、それ以来2回目の怪盗団。

ベースは同じだが、細かい部分に手が入ってプレイが快適になっていて好感触。

 

ただザ・ロイヤルで追加されたストーリーはイマイチ。結局無印版のエンディングでテンション上げきった末に丸く収まった話に後日談を無理やりくっつけた形になっており、追加部分が全部蛇足なんだよね。

このシリーズ(というかカレンダーのシステム)は『ペルソナ3FES』でも追加部分が蛇足だったし、後付けのストーリーは難しいかもしれん。

正直なところ無印『ペルソナ5』の方が1本の作品としての完成度は高いかも…。いや、これは私が最初に無印をプレイしたからってだけなのか…。いやぁ…それでも…うーん…。

 

あとPS4版を遊んだ当時もブログに書いてるが、やっぱこのストーリー好きになれないんだよなぁ。数年を経て完全版の本作をプレイしたら印象変わるかと思ったけど、やっぱダメだ。

やっている事の酷さは主人公達と対立する敵やライバルキャラとでかなり近いので、最終的に悪役対悪役という構図でなければならないと思うのだが、主人公達が対話を無視した形のままご都合主義的に大ボスとしてデウスエクスマキナ的な存在を出し、結果として正義とされてしまう時点で正しさが大幅に歪んでしまっている。

結局、主人公達怪盗団のメンバーは自らが行っている行為と代償になんの覚悟もなく、ただ承認欲求と自画自賛をし続ける気持ち悪いキャラクタとそれを賛美するストーリー。

システムや演出は素晴らしいけど、ストーリーを評価出来るゲームではないよ。

 

 

・Series X『STAR WARS Jedi: Fallen Order』

Disney+で配信され先日シーズン1が終わった『キャシアン・アンドー』が面白すぎて、ちょっとしたスター・ウォーズブームが来たので、その流れでプレイした作品。(ちなみにキャシアン・アンドーは、『スター・ウォーズ エピソード4』の前日譚の『ローグ・ワン』に出てくる登場人物でその前日譚のドラマ)

 

ゲームとしては、ソウルライクと言われる『Dark Souls』シリーズをベースにしているいて、かがり火によるチェックポイントと敵の復活。ザコもボスも難易度ちょい高めで、死んだら経験値を一旦没収的ないつものアレ。

そのシステムがスター・ウォーズシリーズとのかみ合わせとしてどうかという疑問は感じるものの、ライトセーバーをただブンブン振り回すだけでなく、特にパリィなど防御やスタミナ管理が重要となるバランス調整によって、お互いに相手の攻撃を弾きながら攻守が入れ替わるという、普通にプレイしててもチャンバラ的な画が映える剣戟アクションとして設計されているのは面白い。

 

マップの構成により、同じ星、同じ区間を何度もなぞるような移動が強いられ、全体的な物語のテンポを阻害しているのがもったいない。

パダワンだった若者が紆余曲折あってジェダイとなり、そんな彼だからこそ出来た最後の決断がプレイヤーにも響く見事な成長譚としてしっかりと作り込まれたストーリーが用意されているだけに、もうちょっとマップ構造に工夫があればなと。惜しい。

 

 

・Series X『OPUS: 星歌の響き』

2022年の胸キュン大賞。

 

宇宙船に乗って星を行き来できるようになった架空の未来のお話。

没落した貴族である主人公は一族の栄誉を取り戻すべく、見つければ大きな富をもたらす龍脈と呼ばれる星を見つけるため、途中で出会った龍脈を見つける能力を持った女性と共に旅をするストーリー。

 

ゲームとしてはビジュアルノベルにちょっとしたゲームが付いたアドベンチャーゲーム

マップを使って惑星間を移動していくなかで出てくる選択肢やミニイベントなどは、いわゆるTRPG的な作りになっており、フレーバーテキストとダイスを使った運によって物語が進み、文字によって宇宙の広さを感じる作りなっている。

 

しかし本作がなにより良かったのがストーリーですよ。

あまりにも優しすぎるが故に何もかも失った主人公。

自己肯定感の低さから他人の目を気にして、自分の心の思うままに行動が出来なかった女性。

さまざまな困難を経た先にたどり着いた終着点。全ての演出がバチコーンとハマりまくりのラストはマジで泣ける。

この美しく儚いラストシーンは、このゲームをプレイした全ての人の記憶にいつまでも刻まれる事となるでしょう。

 

 

・PS5『Kena: Bridge of Spirits』

ゲームとしてはシンプルなアクションとパズルが組み合わさった平凡な3Dアクションゲーム。

ただ背景など映像の美しさや愛嬌のある主人公、もふもふしたマスコット的なキャラクタの質感など画から来る温かみが良い。

 

 

・Switch『ベヨネッタ3』

コンボ重視のアクションゲームとしての面白さは今年一番。

ただ、演出面を強化しすぎているというか、本タイトルに沿って言うならクライマックス的な演出がどれも冗長すぎて、逆に退屈さを感じてしまう気が。アクション映画とかでもありますよね。「もうわかったわかった」ってなる感じ。

映像は凄いんだけど面白くはない(最近見た『アバター2』がそうだった…映像凄いのにペラッペラのストーリー…1作目に描いてたテーマはどこいったんだ…)。

あと新キャラのヴィオラパートはイマイチだったかな。『ベヨネッタ』シリーズの避けながら攻撃を叩き込むというスタイルと逆を行きたかったのだろうが、別にそんな味変を求めてこのゲーム買ってないんでっていう。

 

 

・Series X『Lost Judgment DLC 海藤正治の事件簿』

本編の八神(キムタク)の相棒である海藤さんが主人公のDLC。キャラクタの過去を掘り下げる内容になっていて、ただの本編の後日談では終わらないDLCとなっている。でも、この物語ってたぶん『龍が如く』のオマージュだよね。

 

 

・Series X『Froza Horion 5 DLC Hot Wheels

3で配信されたHot Wheelsをもう一度こすられてもという感じはある。

重力を無視したアクロバティックなコースを走る初速の面白さはあるものの、コースも大雑把で出オチ感が否めないのもそのまんま。

 

 

・Series X『The Pedestrian』

看板などパネルを入れ替えて、プレイヤーが操作するピクトグラムの人間を進めていくパズルゲーム。

脳の中でも普段使わない部分をグリグリ働かせながら解いていくのが心地よい。

ラストに見せる仕掛けも上手い。「おおっ」って声出たよ。

 

 

・Series X『添丁の伝説』

日本統治下の台湾が舞台。

実在した義賊 廖添丁を主人公に、圧政に苦しむ貧しい住民の為に戦うストーリー。

アクションゲームとして基本的によく出来ており、攻撃からロープアクションなどストレスを感じる部分が一切ない。

敵の武器を剥ぎ取りながら棒・刀・銃などを使って次から次へとザコを倒して進む感覚は、往年の香港映画を思わせる作り。

 

 

・Sreies X『Marvel's Guardians of the Galaxy』

マーベルの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のゲーム。

基本あの4人で進み、みんながしゃべりまくる(まぁその一人は「I am Groot」しか言わんが)ゲームなので、最初から最後までワチャワチャしがちであるが、あの雰囲気が出来上がっているだけでキャラゲーとして成功なのだろう。

ゲームとしては、ある程度予算がかかっていてゴージャスで飽きさせないステージ構成であるものの、アクションゲームとしては取れる行動が少なく単調で細部の詰めが甘く薄味で物足りない作り。

 

 

以上。他にも『メガドライブミニ2』など『奇々怪界 黒マントの謎』『アーケードアーカイブス』関連など面白いゲームがありましたが、2022年はこんな感じですかね。

今年はフルプライスの新作のプレイ本数があまりにも少ないというか全然ゲーム買ってない(GAME PASSのせいもある)うえに、再プレイしたゲームが結構多かった。

ざっと挙げるだけでも『Borderlands 3』『WATCH_DOGS』『サイバーパンク2077』『Ghost Recon Wildlands』『The Division 2』『GOD OF WAR』など。

映画やドラマは新作ばかり見ていたものの、本も今年は再読をちょこちょこしていた(そのせいで買った新刊全然読めてない)ので、今年は私の中で再訪するブームが来てたかもしれないですね。年々懐かしさから感じる甘みが強くなってくるのは良いのか悪いのか。

 

それでは来年も楽しいゲームがたくさん出る事を願って。

そしてゲームを楽しむ為にも元気で過ごせるようがんばって行きましょう。

2022年もお疲れ様でした。良いお年を。