10月ってなると急に年末感が出てきますね。
そんな今月の購入予定です。
10月27日
『メガドライブミニ2』
メガドライブ版としての完全新作や初移植、『パーティークイズMEGA Q』はクイズを全問一新と相変わらずエムツーの狂ったこだわりが見える作りで良いですね。
あと『真・女神転生』のメガCD版。これはオリジナルのSFC版はもちろん、PCエンジンCD-ROM2版・PS版・GBA版と移植版をそれぞれ揃えたものの、メガCD版だけはプレイした事なかったんですよね。
今回の収録、本当にありがたい。チマチマと遊ぼう。
10月28日
Switch『ベヨネッタ3』
このシリーズはアクションゲームとしての面白さと、見た目の派手さというか画から来る爽快感がガッチリと噛み合ってて好き。
今回もおそらく大きく外してくる事はないと思うので、期待しております。
以上の2つに加えて、GAME PASSでは『A Plague Tale: Requiem』が出るので触っておきたいかな。
同じくGAME PASSの『ペルソナ5 ロイヤル』。無印は発売当時にクリアまで遊んで、その後ロイヤルが発売された時はちょっと無印との間が詰まり過ぎていた(ボリューム多いしね)のでスルーしてました。で、今はちょうどいい感じのタイミングでのリリース。これは年末年始辺りに手をつけるかな。
XBOX GAME PASSに加入してしばらく経って思うのは、気になっているタイトルが配信開始されたらすぐに遊んでおかないと気付いたらGAME PASSから抜けちゃうってことですね。
サードパーティの配信タイトルは大体1年で抜けるんだけど、この1年ってのが長そうで短い。
月2回MSが配信終了予定を出してるが、その度に「この前GAME PASSに入ったばっかじゃん」って思うんだよね。で、調べると1年経ってるの。マジで中年の感じる1年間の早さを侮ってはいけない。しかも、まだこれから加速しますからね。ジャネーの法則ですよ。いやぁ老いは面白い。
まぁ今月はこんなもんです。
それでは先月プレイしたゲームの話。
Switch『スプラトゥーン3』
面白い!面白い…が2とほとんど一緒じゃね?っていう。
現状では新しいルールが一切ないし、武器や装備などシステムへの抜本的な改革もないので、ほぼ2と一緒という。
今回のヒーローモード(シングルキャンペーン)も、ジャイロ操作や多種な武器に慣れるためのチュートリアルとして非常に良くできている。
ただ後半が前作のオクト・エキスパンション的な難易度調整で、かなり厳しめな作りにしてあるのは任天堂らしいというか。
任天堂って昔っからそういう所ありますよね。入り口はフレンドリーなのに、ちょっと奥まで入るとガチなアクションゲームとしてかなり高い技量を要求するような、作り手の明確な殺意をサラッと入れてくる感じ。
バンカラ(ガチマッチ)の方は、とりあえずZAP持ってA帯まで行ったので満足です。
ただ、ランクの仕様も今作のように時間をかければ上がるシステムより、前作のダメなら下がるほうがが実力とリンクしてて好きだったんだけどなぁ。まぁユーザーのストレスを軽減するという方向で3は作られているので、このシステムになったんだろうけど。
ちゃんとランクが下がってくれた方が身の丈にあった試合ができるので遊びやすいように思うが。
しかし、このゲームメチャクチャ売れてて凄いですよね。
ほぼマルチ専用で、基本的にはシューターのジャンル。4vs4という一人の役割が重く、武器は射程や立ち回りなど覚える事が複雑。豊富なキャラコンによって場面場面でのプレイヤーの選択肢が多い。
要はプレイヤーにかなり負担のかかる作りであるにも関わらず、ここまで売れるかという。まぁ見た目の印象が複雑そうには見えないし、実際ゲーム内の仕組みとしてライト層へのメンタルケアが上手いというのが大きいだろうが、それでもここまで売れるかねという。
まぁ最近はガッツリと複雑なゲームでも、YouTubeやSNSなどで情報が拡散してプレイヤー内で同期されるので、ゲームが複雑であることのデメリットが少ないってのはあるんだろうけど。
いやぁそれでも凄いね。
Series X『TinyKin』
小さくなった主人公を操作して一軒家を探索。
TinyKinと呼ばれる小さな仲間を集めて冒険するゲーム。
完全にピクミンのオマージュで作られており、あのゲームシステムをベースとしてさらに難易度を下げた作り。
ひたすら仲間を揃えて、物を運んだり、橋を作ったりと簡単なパズルをひたすらこなしていく。
マップ表示がなく、主人公が小さい為に巨大なオブジェクトが多く上下に大きく広いマップで視認性が悪いものの、探索する場所は家のキッチンやバスルーム、子供部屋など間取りに馴染みがあるうえに、目印として各部の名称(蛇口やシャンプー、フィギュアやコンロなど)がパッと頭に浮かびやすいものばかりなので、迷いにくい作りなのが面白い。
ゲームオーバー無しでやられたら即復活。難しい箇所はまったく無いゲームなので、お子様はもちろん、高難易度やボリュームが重いゲームをやる体力のない中年ゲーマーにもおすすめ。
非常によく出来たゲーム。
それではその他のお家エンタメ。まずは本。
カール・ホフマン(著)『人喰い ロックフェラー失踪事件』
Netflixでミルウォーキーの食人鬼ことジェフリー・ダーマーの話がドラマやドキュメンタリーとして配信されると聞いて、そういえば未読の本だけを詰めた本棚に人を食った話(文字通り)の本を買って置いてたなと思ってなんとか探し当てて読んだ一冊。
ロックフェラーといえば説明不要の大富豪一家でありますが、本書の主役はスタンダード・オイルの創業者で石油王ジョン・ロックフェラーの孫であるマイケル・ロックフェラー。
ロックフェラー一族はモダンアートからニューヨーク近代美術館(MoMA)設立など様々なアートの収集に関わっていた。そんな一族の御曹司であるマイケルが集めたのは、世界各地の森や山などに住む部族が作った食器や槍・盾や装飾品などのアイテム。
それらの道具が博物館などで展示される際は彼らの生活様式など注釈が添えられ、ただの道具として紹介される。マイケルは、それらの道具をただを生活を支える道具としてではなく、道具に施された彫刻や意匠などを単体のアート作品として見る事で、新たな価値を見出す(プリミティブアート)活動をしていた。
当時23歳だったマイケルが、アート作品の収集活動の中で訪れたニューギニア。
そこに住む複数の部族と交流し、作られた道具を買い漁っていくマイケル。
だがある日、天候があまりよくないにも関わらずボートに乗って出発したが転覆。なんとか泳いで岸までたどり着くがそこに居合わせた現地民に殺され、解体され、焼かれ、食べられる。
著者は実際にマイケルが殺された現地に赴き、そこで暮らした痕跡を集めながら、彼はこの地で何をしていたのかを探る。
そして今も残る風習。それは彼らが表向きに語る風習だけでなく、当時を知る原住民が決して語ろうしない裏の文化を探し出す。
と、ここまで書いておいてなんだが、実際にはマイケルは公式には今も行方不明とされていて、本当に殺されたのか食べられたのかはわからない。
しかし著者が集めた情報からはっきりと浮かび上がってくるのは、彼が殺されなければならなかった理由。
彼があまりにもお金持ちだった事。あまりにも有名な家系であるが故に隠されなければならない死因。そしてその地域に文明をもたらそうとしてマイケルが訪れる数年前からこの地に来た宣教師達が起こした事件。複数の要因が重なった結果として、彼が殺害された事実が浮かび上がってくる。
あまりにも我々の持つ価値観とは違う世界で暮らす人々の文化に触れる興味深さと、ミステリ的な面白さの詰まった凄い一冊。
これを読んだあとに、なんとなく食人関連の話を網羅的にサラッと読みたいなと思って買ったのが
マルタン モネスティエ(著)『図説食人全書』
世界各国で行われてきた食人行為。いや、過去形ではなくおそらく現在もどこかで行われている食人。
言葉にするとただ人を食べるという行為なのだが、そこに込められる思いは様々。
単純に飢えからの開放であったり、恨みをはらす意味での解体と捕食。逆に尊敬している人を体内に取り入れる事でその力を得ようとしたり。
食べて薬にしたり、ただの興味、性的欲求など多岐に渡るケースが紹介されている。
この本が面白いというか、トンチキな本として味わいが出るのが最終章。
世界全体でみれば現在でも人口は増え続けており、食料問題は喫緊の課題とされている。
そこで著者はその解決法の一つとして死んだ人を食べるべきだという主張を長々としている。
死んでもなお神聖視される肉体をどこまでただの肉と見えるまで人々の意識を解体できるのか。宗教的価値観、人間の肉というビジュアルからくる嫌悪など、それらの障壁を崩し、人肉を市場原理に乗っけていく事によって食料問題はある程度改善するという。
まぁ全体通して与太話的な本であるので読む価値は薄いが、ササッと読むだけで、意外と人間って人間を食ってんのなって思える素敵な一冊です。
ちなみに人を食う話(まだその話するのかって感じだが)の小説では
村田沙耶香(著)『生命式』
が一番好き。
同名の短編集の表題作で、亡くなった人のお葬式の代わりに生命式を行うことになった世界の話。
新たな様式となった生命式では、亡くなった人を解体して料理をし集まった人々に振る舞う。そこでは若い男女も参加してお互いよさそうな相手を見つけたら、すぐにまぐわって子供を作りましょうというのが生命式。
死者から取り込んだエネルギーをセックスによって発散し、人口減少を解消しようという政策によって推進された生命式。
主人公の女性は、子供の頃は人を食べるなんて頭のおかしい行為だったのに、時代によって急激に変化していった価値観に上手く折り合いがつけられない。
その彼女が身近な人の生命式に参加し、帰り道に出会った人によって彼女なりの落とし所を見つけるラストシーンが大好きです。
基本的に村田沙耶香は狂っているが、その中でもこの短編集の狂い方が好き。
物騒な本が続いたので、ちょっと柔らかい一冊を。
若松宗雄(著)『松田聖子の誕生』
著者は元CBSソニーのプロデューサーであり、デビューから松田聖子をプロデュースした人物。
ある日、大量に送られてくるカセットテープの中から見つけた奇跡の歌声。
その声の持ち主が福岡に住む女子高生。後の松田聖子となる女性だった。
その出会いから、難航したデビューまでの道のり。
デビューまでに一番の壁だったのが、彼女の父。
芸能界には絶対に入れさせないという頑なな父の心を動かしたのは、この奇跡の歌声の持ち主は絶対に歌手になるべきだ、という著者のまっすぐな想い。
デビュー後からも音楽の方向性の決定から、参加したアーティストとの話。そして何より松田聖子本人の魅力がどれだけ凄いかが延々と書かれている。
巻末には、著者がプロデュースしたアルバムそれぞれ今だから語るライナーノーツ的な解説があり、これも音楽を聴きながら読みました。(ほとんどの曲はサブスクに入っててありがたい)
そもそも私は松田聖子にそれほど興味がないというか(世代でもないしね)、有名な曲以外はほとんど知らないのに、なんとなく昭和レジェンドおっさんの話を読みたいブームが来ていたからパパッと買っただけなのだが、改めてやっぱ松田聖子ってスゲーのなって感じられる一冊でした。
ここからは映像関連。
ゲームの『サイバーパンク2077』が好きだったので、期待と不安が半々だった。
それが1話見ただけで不安が払拭。そのままのテンションで最終話まで駆け抜けており、想像以上に高いクオリティに驚いた。
ゲーム版と同じ街"ナイト・シティ"を舞台に、天涯孤独の少年がイリーガルな商売で成り上がる物語。
ベースとなる設定や街並み、UIまでもゲーム版を忠実に再現しながらも、ゲームでは登場しないような突飛なキャラクタを見事融合させたのはお見事。
ゲームではあまり掘り下げられなかった設定の一つサイバーサイコシス。大量のインプラントや身体のサイバーウェア(義体化)によって引き起こされる精神病を物語の核に持ってきたのも上手い。
ゲーム版でのテーマの一つでもある、ナイトシティに名を残し伝説となること。
ナイトシティの人々は、伝説となった人物を実際に目にした事を誇らしく語り、飲み屋では尾ひれのついた与太話として消費され、また掃き溜めに生きる若者は伝説の存在になる事を生きる希望の一筋として感じている。
本作では、そんな人々によって様々な形で消費されるであろう伝説の一つが目撃できる。
監督の今石洋之作品らしく、ここぞという場面で大胆な構図やパースがバチッと決まった画も魅力的。
一般的には今石監督の代表作は『天元突破グレンラガン』だろうが、本作も間違いなくそれに並ぶほどの素晴らしい作品に仕上がってます。
最高に楽しい作品でした。ありがとう。ありがとう。
Netflix『アテナ』
ある少年が警察官にリンチされ殺害された事件をきっかけに市民たちが立ち上がり、低所得者向け高層団地を占拠。
被害少年の兄3人をリーダーとした市民らは少年を殺した警察官の公表を要求しながら、弾圧しようとする警察や機動隊と戦う。
映画始まってからタイトルが出るまでの長回しが圧巻。もうメチャクチャ格好いい。よくこれ撮ったな。
ストーリー的には中盤に発生する一件で、これまで見てきた景色がガラッと一変するというか、オセロのコマが反転するような構成になっているのが面白い。
市民運動と暴力という関連から、勝手に『タクシー運転手』(ソン・ガンホ主演)的なヒューマンドラマかと思って見始めたら、全然違う話で脳が軽くバグってしまった。
本作で初めて知ったロマン・ガブラス監督。覚えておこう。
Apple TV+『一流シェフのファミリーレストラン』
主人公は天才シェフと言われるくらいの腕をもち、ニューヨークの一流レストランで働いた経験もある男。だが、度重なるパワハラなどストレスが重なり廃業。
そんな中、同じく料理人であった彼の兄が自分で頭をぶち抜いて死んでしまう。
兄が残したサンドイッチをメインに出す低価格が売りの小さなレストラン。経営を引き継ぐことになった主人公が残った従業員と対立しながらもレストランを立て直せるか、というドラマ。
1話から従業員と主人公の罵声がひたすら続く、まさに戦場となったキッチンの映像から始まる。
以前から引き継ぎで働く従業員と、システムを変えて効率的にしようとする主人公。
発生する衝突は作れる料理のクオリティの高さによる尊敬よって和解出来たりするし、不運が重なった末に放った言葉一つによって大きく溝が開く。
対立の激化と和解。キッチンというカオスの中でハイペースで行われる破壊と再生の物語。
本作が巧みなのが、主人公の兄が非常に重要な人物でありながらも、回想シーンもなくその姿すらも終盤まで隠されている事。
それが物語が進むにつれて、従業員との会話の中や兄の残した物、それらバラバラの情報が繋がっていき、最終話にて最後のピースがはまる展開が見事。
そして主人公や周りの人々にとっての兄がどれだけ大きい存在であったのか。どれだけ兄が多くの人に愛されていたのか、自死遺族が抱える喪失感を視聴者にも体験させる構成は完璧。
ただ一点だけもったいないのが邦題。
原題の『The Bear』は主人公の愛称から来ており、本作の中でもかなり重要なワードとなっているのだが、それをまるまるすっ飛ばしておいてこの邦題はないですよ。
そもそも彼の働く場所は、家族が揃ってゆったりと食事を楽しめるようなレストランではないというところも物語のキーになっているので、まったく話が違ってきてしまっている。
英語の定冠詞+名詞・動詞など単語一つといったタイトルは、日本語がそもそも冠詞を必要としてない言語であるから表現としてそのままのニュアンスを持ってくるのは難しいのはわかるけど、こんないい加減な邦題つけてちゃダメですよ。担当者は反省してください。
まぁディズニーは日本語版のロゴとか、作品内の日本語クソダサフォントとか、作品の雰囲気をぶっ壊す余計な翻訳をしがちなのでこれが通常営業といえばそうなのだろうが…。でも金あるでしょ、君たち。使いなよ、もっとまともな所にさ。
最後に音楽。
lapix - 宇宙遊泳 feat. 中村さんそ
スペーシーで浮遊感のあるイントロからヴォーカル。これでドロップではどう持ってくるのかと思ったら、ある種の不安を想起されるトリッキーなトラックになっているのが面白い。
Author Wind - Aquamarine
VIOLET MUSICのコンピ『Summer Compilation Vol.2』からの一曲。
Summerと入っているのに秋になってからのリリース、しかもなんでこの絵なん?と謎の多いコンピですが、その中で一番聴いたのがコレ。運転中によくかけました。
KawaiiとFutureな音を得意とするAuthor Windらしい雑味の無い甘めのメロディとバウンス感のあるビートのフレーバー。ラストに入るピアノの清涼感が残暑の暑さに心地よい。
Cube Natural - ready2flow
聴いて10秒で、あっこれ好き!!ってなった一曲。
懐かしさを感じるブレイクビーツだけど、展開のキラキラ感は今風ですね。
Winslow - Slapbox Funk (ft.PRSPKTV)
最近私にザクザク刺さる曲を出しまくってるWinslowがまたやってくれた。
ジャンルとしてはドラムンベースで間違いないのだが、ビートとグルーヴはgarageそのもの。
通常のdnbと同じくハーフでリズムを取るつもりで聴いていると、無意識にアッパーで跳ねるグルーヴを感じられる粋なトラック。
ってな感じで今月はおしまい。また来月。