月刊 追い焚き作業

見て聴いて読んで遊んだ記録です

2023年7月の購入予定と6月の話 『Diablo 4』『ファイナルファンタジー16』『みんなが手話で話した島』『チェルノブイリ』

最近ちょこちょこと目立つレベルで白髪が増えて来ました。

染めるかどうしようかツレに話をしてたら「あんた色白だし白髪の方が全体的に統一感あっていいんじゃない」ってソファーに寝っ転がったままエアリアルをもしゃもしゃ食いながら返されて笑ってしまった。

なんだかどうでも良い気がしてきたので、一旦放置の方向で。

 

そんな7月の購入予定ですが、今月は特に無しかな。

21日発売のSwitch『ピクミン4』は気分が乗れば買うかもぐらいの感じで。『ピクミン』シリーズ好きなんだけど、何故か途中で飽きるんだよね。ご飯食べてて急にお腹いっぱいになる感じ。ゲームとしては好きだけど、この好きがクリアまで持続しない感じ。

まぁ最近大作ゲームが続いて、小粒なゲームをやれてなかったので、その辺りを触っておきたい。

 

 

それでは先月プレイしたゲームの話。

XBOXDiablo 4』

とりあえず『Diablo 2』から毎回最初のキャラとして作り続けているWW馬場(Whirlwindでクルクルするバーバリアン)で一応現状の最高難易度到達という所まで。

いやースゲー面白い。現状まだエンドコンテンツの充実度や、マルチプレイ周りの整備が足りてない気もするが、この時点でもちゃんと『Diablo』シリーズとしての面白さが詰まっている。

 

アクション部分のベースとしては、前作『Diablo 3』を踏襲した形となっているが、POT(ポーション)の所持数上限の採用や、穏やかな性能に留まっている武器(これはDia3が極端過ぎた)など『Diablo 2』を意識した原点回帰的な作りになっている。

ただこの辺り、前作の無双ゲーライクでカジュアルなデザインが好きで今回も期待していた方には、ちょっと抑制的すぎるというか地味な作りに見えてマイナスに感じる人もいるかも。

 

また今回全体マップをオープンワールド化。従来のランダムマップは各地にあるダンジョンのみという大胆なモデルチェンジ。しかしプレイフィールとしてはそれほど違和感は無い。(昔のゲームですがなんとなく『SACRED 2』っぽい)

オープンワールド系ゲームでお馴染みである各地に配置されたコレクティブ要素が、プレイヤーのステータスに影響するなど閉口する要素もあるし、マップがだだっ広くなったせいで、敵の密度が全体的に低下。またゲームクリア後のエンドコンテンツが各地のダンジョンを利用した物が多いので、結果的にただ移動が面倒になっただけという印象が強い。まぁそれでもオープンワールド化が失敗という程でもないか。

 

 

あとゲームプレイの部分以外としては、今回クライアントがマルチランゲージになっていて、すぐに英語へ切り替えられるのも嬉しい。

特に日本では攻略サイト(特に個人)の文化が完全に死んだので、結局英語のサイトを見るしかないんですよね。よほどドメスティックなタイトル以外はほぼ全ての情報の量と速さは英語圏が一番なので。

 

またここ最近は、この手の攻略情報はYouTubeなど動画の方に多く流れて行きましたが、もう動画とかタイパ悪すぎて見てらんないですよね。

私自身の体感でも、情報のみを得る為に動画を見るという行為に我慢できる限界は倍速かけた上で3~5分だと思う。それ以上の長さの動画は見てられないし、ブラウザのアドオンで字幕のテキストデータをDLして読んだ方が圧倒的に早い。

 

結局そんな状態なので、初回のみ日本語版でプレイしてストーリーを楽しんだら、そこからは英語にした方が遊びやすい。

この辺りは前作は割と面倒(各プラットフォームによって違う)だったのですが、今回のようにサクッと英語に出来るのは良いですね。

 

発売からサーバーへのログインもスムーズ(一部ゲーム内でのラバーバンディングはあったが)で、大きなバグやトラブルもなくなかなかの滑り出しではないでしょうか。

今後シーズンが開始されて以降、どういった形で変化していくのか楽しみ。

本作ではDLCを2つ作っているという発表もあり、今後も長い付き合いになりそう。

 

 

PS5『ファイナルファンタジー16』

先月書いたようにあまり買うつもりは無かったんだけど、直前で配信された体験版やってみたら、思いのほか良い出来というか、チャレンジングな作りでこりゃ一応買っとくかという訳で。

ちなみに30時間程プレイして未クリアの状態です。

 

前作『FF15』ではオープンワールドでしたが、今回は賛否両論を生んだ『FF13』のようなリニアな構成にもう一度チャレンジという事のようで。

カットシーン→ちょちょっと雑魚戦→カットシーン→ボス→カットシーン→カットシーン→場面変わってカットシーンの繰り返し。おそらくゲームプレイの4割弱は会話など含めたカットシーンかもしれない。それくらい多い。

 

そんな訳で、従来のシリーズとは違い重厚なストーリーが展開がガッツリ見られる。

ただまぁそれは序盤だけで。中盤以降からは従来のFFらしい雑なストーリー展開になっていた笑った(笑い事ではない)。

 

こんな一本道のゲームであるからこそ出来る芸当だが、ストーリーで訪れるダンジョンなどにマップ表示もなければ、画面端のミニマップすらないのには驚いた。

ゲーム内のマップやナビが優秀であればあるほど画面を見ずにミニマップやルート表示ばかり見てしまうという事に対するカウンターだそうで。

雰囲気重視のゲームや、不便な事に楽しみを見出す事が出来る人向けにUIを隠せるオプションがあったりしますが、ミニマップ廃止をこれだけの大作ゲームで採用するのは凄いですね。

まぁやりたい事は理解するけれども、せっかく作ったグラフィックなのだからちゃんと見て欲しいという要求に対しては、そういう事はあなたのお母さんに言ってねという話ですし、そもそもミニマップ廃止するならプレイヤーの向いている方角ぐらいは表示しろよとは思いますが。

 

 

RPGとしてもう一つの柱である戦闘部分。今回はかなり本格的なアクションRPGとなっており、その出来がなかなか良い。

近接コンボとアビリティの組み合わせ、そこに相棒の狼"トルガル"への指示が加わって、とにかく指が忙しい。

というのも、本作の戦闘部分は元カプコンで『デビルメイクライ』や『ドラゴンズドグマ』に関わっていた方が入っているそうで。その遺伝子を感じさせる作り。

 

クイックな操作感と、回避やパリィ(カウンター)をメインに据えたデザインによってスピード感のある戦いになっている。

敵の攻撃も予備動作から攻撃発生までの流れがわかりやすく、変なディレイや引っ掛けの動作が無いおかげで、画的に映える映像とプレイしやすさが同居していて良い。

中型ザコやボスの体力が多い上に難易度が低いので若干ダルい気がしないでもないが、戦闘部分はシリーズ通してというか、ここ最近のアクションRPGの中でもトップクラスなのでは。

 

また本作の設定として、この世界での選ばれた人間のみが召喚獣になれるという特撮的な要素が入っていて、国家間の戦争や主人公(もちろん召喚獣に変身する)のバトルでは人間の意志を持ったデカい奴らが周辺を破壊しながら戦う事になる。

そのバトルもひたすらスケールがデカいだけという、レジェンダリー・ピクチャーズの映画のようなバカバカしさが詰まっていてとても良い。

ゲーム的には、プレイヤースキルを問われないようなイベントバトルのくせに割と長い時間やらされるなどしょうもない要素ではあるが、その画の迫力だけで場を持たせようとする強引さは嫌いじゃない。

 

 

残念ながらパフォーマンスモードでも60fpsが維持出来てなかったり、虚無という言葉以外出てこないようなサブクエストの中身の無さ、バリエーションの少なすぎるザコ、操作が重いUIなど、ちょっと引っかかる点はあるものの、この規模の作品としては上手くまとまっているなと。

 

またストーリーの大きな要素として据えた召喚獣やクリスタルなどの設定から固有名詞、BGMもクリスタルのテーマや戦闘終了のファンファーレなど過去のFFシリーズの要素を大筋の部分から軽いフレーバーなど全体に絡めている。

ある意味過去作へのリスペクトを込めたマッシュアップと言っても良いくらいに過去の要素を入れているのも面白いですね。

まだゲーム後半がどうなるのかわかりませんが、とりあえず毎日プレイするのが楽しみになるくらいには夢中になってます。

 

 

ここからはその他のお家エンタメ。まずは本。

ノーラ エレン グロース(著)『みんなが手話で話した島』

アメリカ北東部にある島マーサズ・ヴィンヤード(ヴィニヤード)島。

スピルバーグが『ジョーズ』を撮影したり、今はリゾート地として有名なこの島。

17世紀にイギリス人によるアメリカ入植の際に多くのピューリタンが移り住んだニューイングランドの近くに位置するこの島で、300年以上前に実際にあった出来事。

 

17世紀当時、漁業と農業・酪農で細々と暮らす島民が多かったヴィンヤード島では、高い確率で聾(聴覚障害)の子供が生まれるという遺伝子を持った人々が住んでいた。

遺伝性難聴の子供が生まれるケースとして潜性(劣性)遺伝が関係しているという事は、おそらく現代では多くの人が理解していると思うが(メンデルの法則とか習いましたね)、当時の人々はもちろんそんな遺伝子による法則など知らなかった。

故に、健聴者の親から聾者が生まれたり、逆に聾者同士から健聴者が生まれたりというケースを見て、結局子供というものはそこそこの確率で無差別に聾者が生まれるものだという認識だった。(後に島から出た住人が、他の町では聾の人が少なくて驚いたと話すくらいに)

ただ、多くの聾者が暮らしていた事により、彼らは社会の構成員として障害者というカテゴライズはされず、また誰もが子どもの頃から英語と同時に手話も覚え、その2つの言語を使いこなす事で、聾者と健聴者にまったく差が無い社会になっていた。

 

この島の人々があまりにも手話を使いこなしていたが故に、健聴者同士が普通に口語で喋りながらちょっとした噂話や、大声では喋りづらいエロ話は手話で伝えたり。

また頭の上で大きく手話のサインを出す事で、遠くの人や船の上同士など声が届きにくい場所での会話も手話でこなしていたというから面白い。

ここでは耳が聞こえないから手話で話すのではなく、手話をもう一つの便利な伝達手段として使っていたそうで。

 

島民へ誰が聾者だったかという調査にも、あまりにも違和感なく手話と口語が混在していた為に、一旦思い出さないと誰が聾者だったのかわからないくらいに、聾者と健常者の差が無い暮らしをしていた。

本書の後半で、社会における聾者の扱いはどういった物だったのかという歴史にも触れられている部分において、19世紀まで欧米の研究者は聾唖者は知的障害と同じく一定以上の教育が難しい人としてカテゴライズするかどうかを侃々諤々やっている一方。この島では聴覚障害の有無に関わらず誰もが普通に暮らしていたというのがなんとも面白い。

 

17世紀から250年続いたこの生活も19世紀に入ってからアメリカ国内でも聾学校が作られるなど、福祉への制度が作られていくことで変化していく。

この島の子供の聾者もアメリカ本土の聾学校へ行き。そこで違う聾者と出会って結婚をしたり(親同士の血が薄くなり聾者が生まれる確率が減った)、また島を出て生活をする人が増えたなどで徐々にこの文化は失われてしまった。

 

障害というものは、生活における不便さだけでなく、社会的な障害による2つの要素が絡み合っている。

ただ、本書で見られたこの島のように社会的な障壁というものが無い社会が実現した場合、ここまで私達を隔てる差はなくなるものなのかという驚きがあった。

また今後はテクノロジーの発達により、さまざまなハンディキャップの障壁がどんどんと小さくなっていくはずなので、この島に見られたような社会が実現出来ると楽しいですね。

 

ちょうどこの本の著者を調べる際にAmazonを見たら、Kindle版が今半額になっていたので、興味がある方はぜひ。

 

 

ここからは映像関連。

U-NEXT『チェルノブイリ

The Last of Us』のドラマや『メディア王~華麗なる一族~』を見る為に久々にU-NEXTに入ったので、ここ最近は見る機会が無かったHBO作品をちょこちょこ見ています。

色々と見た中でも評判通り『チェルノブイリ』は凄かった。

 

チェルノブイリ原発事故発生からの数日間を追ったドラマで、あの壊滅的な事故の居合わせた人々。原発作業員から消火作業にあたった消防士、事故処理に関わった作業員など一人一人に簡潔でありながら、重いエピソードの積み重ねによってドラマが作られている。

 

そして、何より圧巻だったのが最終話。

この事故の発端。そこで何があったのかという事が、裁判によって次々と明かされていく怖さ。もうただただひたすら怖い。

また、真実を語ろうと決断した者たちが待つ運命。全てが本作の1話へと繋がっていく。

もう見事ですよ。素晴らしい構成と素晴らしい脚本。素晴らしい役者達の演技。

 

あと、これを見ていた時にちょうど読んでいてタイムリーだったのが、島崎邦彦(著)『3.11 大津波の対策を邪魔した男たち』という一冊。

著者は地震学者として原子力規制委員会の委員長代理を務めた人物で、いかに安全かつ長期間安定的に原発が運用出来るのかを第一に提言を続けていた人物の一人。

過去の地震のデータなどから、次に来る巨大地震の際に大きな津波原発を襲う事がわかっていたにも関わらず、当時の政権や電力会社、御用学者など原子力ムラの人々によって握りつぶされ、被害想定は無視された。

 

そして、あの3.11ですよ。

あの福島の原発事故に関しては、想定外であり予測出来なかった、それほど大きな地震津波が襲ったのだという認識が一般化しているように思うが、著者はあの事故は確実に人災だったと主張している。

無謬性信仰がある国家・体制・文化において、正常にリスクアセスメントを機能させ被害を最初化する努力をする事は難しいというか苦手なので、まずそこからスタートしないといけませんが…果たしてどうでしょうか…。

結局、為政者や企業、権力者が吐いた嘘の代償を払うのはいつも庶民だからね。

 

 

最後に音楽。

DV-i - Sound-Image Concept

 

DV-i - Angel Panic

今年に入ってからDV-iから新曲が続けてリリースされており、そのどちらもが最高なのです。

このサイバーなサウンドドリームキャストのサントラ感。最高かよ。

 

 

Simple Souls - Mañana Ft. Jimmy Danger

Liquidでスウィンギンなドラムンベースを届けてくれるSimple Soulsの新曲。

Simple Soulsはハズレ無しなんだよね。トラックを再生した瞬間に心地よい世界に必ず連れて行ってくれる。

 

 

DJ Marky & SOLAH - Poetry

夏になると聴きたくなるDJ Marky。

先日リリースされたこの曲は、マジで今年のアンセム。もう初めて聴いた瞬間から体は動くし顔は笑顔だし脳はとろけるし気持ち良すぎ。ひたすら幸せ。

 

DJ Marky & XRS - Going Deaf

せっかくなのでDJ Markyからもう一曲。

10数年以上前のクラシックなトラックだけれど、夏のダルさを吹き飛ばしてくれるような爽快さがあって、毎年何度も何度も聴いてしまう。

 

 

最後は、先日ゲームパブリッシャーのAnnapurna InteractiveのShowcaseでお披露目されたゲーム『to a T』から。

両手を広げた"T"の姿勢で固定された状態で生活するティーンエイジャーを主人公としたアドベンチャーゲーム(生まれ持ったハンディキャップがテーマですよね)。

塊魂』で有名な高橋慶太の最新作として話題ですが、そのトレイラーが最高。

TO A T | Reveal Trailer

歌詞は高橋慶太、作曲はsakai asuka(境亜寿香)と、ご夫婦での共作。

しかも演奏にはイギリスのシンセ・ポップ(シティ・ポップ)で有名なPREP。

で、この曲ですよ。もうまじで最高。

 

"T"の姿勢のまま生活する主人公の気持ちを歌った歌詞のユーモアさ、そして、この優しさと暖かさよ。

何より最後に

「I don't have any idea what perfect means. I'm not afraid - to be me」

なんて来るから、もう泣いちゃうよ。

 

あまりにも繰り返し聴いたおかげで、歌詞も覚えて一緒に歌ってます。

「ねばふぉげっと ゆぁざぱーふぇくしぇ~いぷ」

ゲームに期待するのはもちろん、この曲もリリースしてほしいな。フルで聴きたい。

 

こんな感じで今月はおしまい。

また来月お会いしましょう。