月刊 追い焚き作業

見て聴いて読んで遊んだ記録です

2023年10月の購入予定と9月の話 『Starfield』『バイオハザードRE:4 SEPARATE WAYS』『鵺の碑』『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』『モガディシュ 脱出までの14日間』

ここ2週間くらいの間、普段とは違い、大勢の前で声を張るという慣れない仕事が多かったせいか、喉がぶっ壊れました。

喉ガラガラすぎてウィスパーボイスしか出ないので、方々にご迷惑をおかけしております。

 

そんな10月のゲーム購入予定。

5日

XBOXアサシンクリード ミラージュ』

アサクリシリーズ最新作。

今回はオリジンズ以降の超大作RPGの方向ではなく、それ以前のアクションアドベンチャー要素の強いゲームプレイを中心とした作品だそうで。

ただ、今月は他の新作とのタイミングが悪いので、プレイするのは来月以降に。まぁこのシリーズはリリース直後にゴタゴタしがちなので、ちょっと待ってプレイした方がクオリティは高い状態で遊べるってのはあるんですけどね。

 

10日

XBOXForza Motorsport

シリーズ8作目であるものの今回は全部1から作り直したそうで、ナンバリングを取っ払って再スタートて感じですかね。

レーシングシミュのジャンルでは一番好きなシリーズなので、めっちゃ楽しみにしてます。

 

20日

PS5『Marvel's Spider-Man 2』

現在はSIEの子会社となったInsomniac Gamesスパイダーマン最新作。

めっちゃ期待してます。期待はしているんですけど、やっぱスパイダーマンシリーズって映画の出来が良すぎて、ゲーム版は地味に感じちゃう部分ってあるんですよね。

特にトム・ホランド版の3部作(まぁこれはMCUシリーズとしての面白さも乗っかっている気はしますが)もマイルス・モラレスのアニメシリーズもある種の完成形に達してしまっているというか。

次の『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』も、あの"続く"で終わった展開からどう1本の映画としてどう持っていくのか楽しみでしょうがない。

 

ゲームと映画では同じ登場人物でも設定が違うので、一緒に並べては失礼だとは思うものの。やっぱ映画としてのルックの良さみたいな物がスパイダーマンシリーズって飛び抜けているので、ゲーム版は若干タイニーな作りに感じてしまうという。

最近ゲーム版の過去2作を再プレイしていて、そんな事を改めて思ってしまいました。

そこはそれとして、今回のゲーム版新作も楽しみにしてます。

 

20日

Switch『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』

さんざんキノコを食いまくってたおっさんがついにバッドトリップしたのか、ひたすらぶっ飛んでるマリオの新作。

横スクロールのマリオの新作は超久々なので、期待しております。

 

今月の購入は以上の4本。

あと、タイミングが悪すぎて残念ながらプレイする時間が無いのが、12日発売のSwitch『リアセカイ』。

牧場物語ルーンファクトリーシリーズのプロデューサー(はしもとよしふみ)の最新作。いつか何処かのタイミングでプレイします。

今月は多いけど、がんばってプレイしていきましょう。

 

 

それでは先月プレイしたゲームの話。

XBOX『Starfield』

いやー堪能した。

ゲームシステム的には、従来のBethesda作品の延長線上にある作りではあるが、膨大な量のテキストとマップ。

様々な星を舞台にした探索要素、ドロップする武器にレアリティなどが設定されたルーターシューター要素、そして多数のスキルを組み合わせて自分のプレイスタイルにあわせるビルド、建築に宇宙船のカスタマイズと、Bethesda作品の集大成と言っても良いかもしれない。

 

 

主人公は、鉱石を掘る作業員。彼が作業中に他とは様子が違う不思議な石を見つける。

その不思議な石に触れた瞬間、脳の中にさまざまなビジョンが飛び込んでくる。

実は、この石はある組織が集めているアーティファクトの欠片であった。

そのビジョンを見られる物はアーティファクトに選ばれた人物であるという宣託を受け、主人公もその組織へと合流し、星々を旅しながらアーティファクトを集めるというお話。

 

2001年宇宙の旅』のモノリスのように、このアーティファクトに触れる事は、人類をさらなるフェイズへと進化させるアイテムなのか、それとも破滅の兆しとなるのか。誰が何の為に作ったのかわからないアーティファクトを巡る物語。

オールドスタイルなSF的設定であるものの、終盤ではゲーム的な都合とシナリオを見事に融合させたRPGならではの仕掛けとなっていて、なるほどと唸ってしまった。

 

 

今回も『Fallout』のような勢力・派閥に所属する長めのサブミッションが用意されているものの、こちらはちょっとこじんまりしすぎたか。

それぞれ面白いミッションや、選択によって大きな変化などよく出来てはいるものの、それらが相互の勢力やメインミッションに絡んでくる事が一切なく若干味気ない。

 

またこの味気なさは、ゲームプレイの快適さを優先させた為、シミュレーション的な部分をバッサリと切ったことに対する所にも繋がってくる。

船の燃料の概念も、ただ一度に飛べる距離であってマネジメントの部分はカット。

移動もほとんどが従来のBethesda作品のようにファストトラベルを多様する形になっており、宇宙船で移動しているという体のテレポートに過ぎない。

 

 

それに本作で登場する星系は、宇宙に生活の舞台を移した人類が存在を認識している星間を移動するという設定なので、未知の星を旅する訳では無い。

『No Man's Sky』で衝撃的だった、空に浮かぶ星がただのグラフィックとしての光点ではなく、シームレスで実際にそこへ向かい着地も出来るというロマンに比べると、本作の探索要素はちょっと薄味かなと。

 

また今回1000を越える星が用意されているとのことだが、どうしてもさまざまなイベントやスポット(廃墟等)が分散してしまっている。『Fallout』や『TES』のようなギュッと詰まったマップに比べると、全体的にのっぺりとした印象がある。

星を移動するというある意味、能動的な行為がひとつ要求されるのもポイントで、要はどこかへ向かう通り道に何かあったから寄ろうではなく、寄り道をする事を目的としないと、まったく行く必要が無い星や場所ばかり。

しかも、それらの星々はおそらくパターンのあまり多くない組み合わせによるプロシージャルな形で作られており、未知の星に降り立っているのに既視感を抱いてしまう。

 

またサブクエストもただのお使いのような単純な物があまりにも多すぎるなど、若干薄味な部分が目立ったかなぁという印象。

ただ、ベースとしてはよく出来ており、今後の可能性を感じさせるものではあった。

DLCやMOD対応によって、来年以降さらに充実したゲームプレイが出来るようになれば、もっともっと面白くなるポテンシャルは確実にありますね。

いやーでも面白かった。今年のベストゲームかな。

 

 

XBOXバイオハザードRE:4 SEPARATE WAYS』

エイダ編の追加DLC

オリジナル版であった『アナザーオーダー』(PS2版から追加されたんだっけ?)は新規マップも使った力の入った作りであったものの、本編との繋がりは割とアバウトな作りでした。

で、今回はほぼ本編のマップを再利用しながら、ちゃんと本編とリンクする形で作られており、いかにエイダはレオンをサポートしてきたのかという部分が丁寧に描かれたDLCとなっている。

逆に、本編のレオンはエイダが居なきゃ脱出出来てねーだろというのがありありと分かる作りになっているのも面白い。まぁレオンってそういうキャラだしね。

 

ゲーム部分の基本はレオン編と一緒ではあるが、エイダならではのアクションとしてフックショットを使った攻撃が面白い。

相手を怯ませて体術を入れる際も近くに走り寄る必要がなく、遠くから相手にフックショットを撃ち込んで蹴りを繰り出せたり、相手の盾をフックショットで剥がしたりと本編よりスピーディな動きが可能になっている。

 

DLCとしても、1,000円という価格ながら初回プレイで4時間程となかなかのボリューム。バイオRE:4のアクション部分の面白さが詰まった作りになっていて、かなりよく出来たDLC

たまに『バイオ4やりてー』ってなった時に、本編のような凝った謎解きやアシュリーパート、お魚との対決が無い分、このDLCを再プレイする方が短時間で満足度が高いかもしれん。

いやーしかし、やっぱバイオ4おもろいな。

 

 

 

ここからは、その他のお家エンタメ。まずは本。

京極夏彦(著)『鵺の碑』

父を殺したと客に告白したホテルのメイド。

消えた三人の他殺体。

失踪した薬局の店主を追う従業員。

3つの事件を軸に全ての事件、登場人物、過去の出来事が絡みあっていく。

 

京極堂がもつれた糸を全てほどいた瞬間に立ち上がる妖怪の姿。百鬼夜行シリーズの肝は毎回ここなのですが、今回もお見事。

鵺という存在の曖昧さ、そして碑という何百年と残っていく存在の強さ。

SNSなどによって近年加速した陰謀論などと同じように、自分が見たい全体図を完成させるために、それぞれの事柄に線をひいて繋げることによって、ありもしない何かが浮かび上がってくる愚かさ。

そんな人間たちの考えとは関係無しに、ただそこにあり続ける碑。

認識によって浮かび上がるその対比。本当に素晴らしかった。

 

あと今回は、現在3冊まで出ている『書楼弔堂』シリーズのテイストがちょっと入っているような気がしますね。

会話のリズムであったり、実在の人物をガッツリとかませる辺りとか。

『書楼弔堂』シリーズも京極作品の中ではかなり完成度の高いシリーズだったので、そこから百鬼夜行シリーズへと戻ったのは良かったかもしれない。

 

久々に百鬼夜行シリーズを最初から読みたくなってきたので、毎月1冊ずつくらいのペースで再読していこうかなと思っております。

 

 

 

ここからは映像関連。

Neflix『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』

福田雄一作品なので、真面目に内容の良し悪しを言ってもしょうがないが、いつものあのノリである。

ただまぁ、それにしても映画としては出来が悪すぎたか。

 

そもそも原作は連作短編。赤ずきんの旅には大きな目的があり、その過程でさまざまな童話の登場人物に出会っていく中で事件を解決していく。

大きな旅の目的自体が童話の赤ずきんと関わっており、その目的があるからこそ赤ずきんは旅を続けることに手段を選ばないキャラクタになっている。また何故この物語に赤ずきんが必要なのかという存在理由にもなっている。

連作短編の1つだけ抜き出すと、何故赤ずきんがこの物語に必要なのかという部分が欠けてしまうし、キャラ設定もブレている。

しかも原作が受けたのは、みんなが知っている内容だからこそ、その設定や人物描写を省略してミステリー部分を抽出し、さらに童話とのギャップを生み出して受けた訳ですよ。要は童話の二次創作ですから。

それをこの映画のように、みんなが知っているシンデレラの物語をダラダラダラダラともう一度語ってしまってはテンポが失われてしまう。そこに乗っかる福田雄一作品の緩さによって、ただ弛緩した時間と映像が延々と続いている。

 

もちろん本作は、橋本環奈の赤ずきんコスかわいいーとか、岩田剛典の王子様ヤバいとか、そういったビジュアルを愛でるアイドル映画である事は確かなのだろう。

でありながら最後にルッキズムに対する風刺を入れてるのもちゃらんぽらん過ぎて笑ってしまった。

いやー久々に時計を何度も見る映画でしたね。学生時代のバイトを思い出したよ。

 

 

Netflix等『モガディシュ 脱出までの14日間』

公開当時、近所で掛かってなかったので結局見られず、そのまま忘れてしまっていました。

で、最近本作の監督の最新作が韓国で公開されたという話を見て、これを機会にと。

 

1990年のソマリアを舞台に、韓国大使と北朝鮮大使。双方が国を背負って外交ルートの火花を散らしていた中、ソマリアで内戦が激化する。

無秩序となったソマリアから各大使は自国へ帰ろうとするが、通信網も経たれる。町の至る所に銃を持った兵士や民間人が監視をする中、北朝鮮の大使が韓国の大使へ協力を要請。

イデオロギーの対立によって絶対に協力する事が許されない2国の人々は、この地から脱出できるのか。

 

本作の見所はやはり終盤のカーチェイスによる脱出シーン。

ここに至るまでの丁寧な心理描写を重ね、これでもかというくらいに緊張感を高めた上でのフルスロットル。

追う方も追われる方も狂気をまとったシーンとなっており、久々にアクションシーンでドキドキする感覚を味わった。

 

しかし韓国映画を見て思うのは、やはり朝鮮戦争の経験というか歴史なのか、イデオロギーによる対立、誰が味方で誰が敵なのか。そして逃げるという行動に対する切実さみたいな物が実感としてあるんだろうなという気はしますね。

その朝鮮戦争も、最初は北朝鮮がソウル占領から南側に押した後に、国連軍(米軍)が入って平壌まで押し返たが、中国の参戦により結局また38度線で拮抗。

その中で人々が逃げられる者は逃げたが、残ると決意したり取り残された人々はどちらの陣営の兵士かわからない人物から死の二択を迫られた訳で。その歴史の重みがリアリティの土台になっているように見える。

韓国には朝鮮半島の分断をテーマにした分断文学というジャンルがあるそうだが、そういった文化的なベースから映画などのエンタメが融合した結果、非常にドメスティックな設定でありながら普遍的な人間としての生き方を見せる作品のクオリティがますます上がってきている。

 

 

最後に音楽。

Waeys & SOLAH - 10,000

なんかもう完璧。

こういう音楽に出会うために、このジャンルの音楽を追っかけてるのよ。

Liquidなメロディとソウルフルでスウィートなヴォーカル。これぞマスターピース

 

 

Coffee Shop Jungle - Lowdown

普段のBGMとしても使える気持ち良いdnbを続々とリリースしているCoffee Shop Jungleからの一曲。

feat.にMakotoの入ったLiquidな楽曲となっており、もうコレだよコレって叫びたくなる。

 

 

Incognito - Keep Me In The Dark (Single Edit.)

インコグニートのニューアルバムが来月リリースされるとのことで、そこからの先行リリース。

秋口の爽やかな風にちょうど良いサウンドで、運転するときに毎回かけてます。

 

 

最後は先月プレイしたゲーム 『Starfield』のテーマソングを。

Into the Starfield (Main Theme) | Starfield OST

ゲーム起動時に流れるこのテーマ。

星々への旅の始まりを予感させる壮大さや力強さと共に、宇宙というひたすら続く闇の中に居る根源的な畏怖、生まれ故郷を去った不安。そんな宇宙の旅に対して持つ憧憬が全てこのサウンドに詰まってるんだよね。

 

この曲に限らず、『Starfield』は本当にBGMが素晴らしかった。

ゲームプレイを阻害するような強いBGMではないのに、耳にちゃんと残り、またそれぞれのシーンに完璧にマッチしたBGMが流れる。

私が近年プレイしたゲームの中でもトップじゃないかな。

ロンドン交響楽団のライブ映像もアップされていて、こちらも最高。

 

こんな感じで今月はおしまい。

また来月。